プレコックス感 プレコックス・ゲフュール(Praecox-gefuehl)〔ゲフュールGefuehl 感覚〕は、 元来オランダの精神科医リュムケが用いた言葉です。 リュムケは、「我々が分裂病と診断する時、 一体いかなる根拠において診断を下すのか」を問う中で、 分裂病者と対面した時に面接者に生じる、ある独特の感情、違和感、 「内的不確実感(een belen van innerlijke onzekerheid)」に着目しました。 これが、「プレコックス・ゲフュール」と呼ばれるものです。 リュムケによれば、面接者に生ずるこの感情は、 病者の「対人接触本能(toenaderingsinstinct)」の減弱によって喚起されます。 即ち、人間は誰しも、人間同士相互に接触しようとする本能を持っており、 これが、分裂病者にあっては減弱しています。 その結果、正常な本能を持った