ガウス混合分布のEMアルゴリズムによるパラメータ推定 正田 備也 平成 19 年 3 月 29 日 1 ガウス分布 ガウス分布は,正規分布とも呼ばれますが,任意の次元の空間に散らばっている点集合をモデル化するために,よ く使われる確率密度分布です.直感的には,空間内のある一点における密度が最も高く,その一点から離れるにつ れて密度が低くなっていくような分布です.密度が最も高い場所が,分布の期待値(平均)を表しています. 式で書くと,D 次元空間でのガウス分布は N(x; µ, Σ) = 1 (2π)D/2|Σ|1/2 exp −(x − µ) Σ−1 (x − µ) 2 (1) となります.µ が,この分布に従う D 次元ベクトルの期待値です.Σ は,共分散行列 (covariance matrix) で,対称 (symmetric) かつ正定置 (positive definite) な