航空LIDARで調査されたメキシコ南部のアグアダ・フェニックス遺跡 T. INOMATA T. INOMATA <自動運転でも使われるLIDARによる測量が、考古学の常識を変えつつある> メキシコ南部、サン・ペドロ河流域に位置するアグアダ・フェニックス遺跡で、草木に埋もれた古代都市の姿が浮かび上がった。調査は米アリゾナ大学の猪俣健教授(考古学、古代マヤ文明)が主導し、10月25日付で学術誌『ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア』に掲載された。 調査に活用されたのは航空LIDAR(ライダー)と呼ばれる技術だ。航空機またはドローンからレーザーパルスを照射し、反射波が戻るまでの時間差を測定することで地表面の高低差を導き出す。こと草木に埋もれた現地においては、藪に分け入らずとも広範囲を調査できることから、考古学の調査手法に革命的な変化をもたらしている。 研究チームはメキシコ国営の統計機関が公開し