白鵬が味わった人種差別 大鵬の通算優勝記録はその後、同じモンゴル人の白鵬が破った(現在まで37回優勝)。しかし、その白鵬も外国人力士として苦汁をなめた経験が何度もある。代表的な2つの出来事には、どちらも稀勢の里がからんでいる。 2013年11月場所の14日目。ここまで全勝の白鵬は、稀勢の里と対戦した。2人は仕切りの際に、何度も仁王立ちしたまま激しくにらみ合った。 取り組みは力のこもった投げの打ち合いの末、稀勢の里が上手投げで勝つ。すると、予期せぬことが起こった。館内を埋め尽くした7000人近い観客が万歳三唱を始めたのだ。その回数は10度に及んだという。 〈場内からは期せずして「万歳」コール。異様な雰囲気に包まれた。日本人大関の横綱連覇を喜んだのか、見応えのある相撲への称賛か──〉と、毎日新聞は報じている。 白鵬はこの万歳三唱が悔しく、「自分がやってきたことは何だったのか」と師匠の宮城野親方
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