今から60数年前、1954年の日本では「これが自由というものか」というユニークな歌が、NHKラジオから毎週々々、全国に流れていた。 21世紀の現在でもそのまま通用するような痛烈なプロテスト・ソングを歌っていたのは、喜劇王と呼ばれたエノケンこと榎本健一である。 エノケンはジャズからクラシック、民謡、浪曲にいたるまで、あらゆる音楽を歌い、ユーモア、ナンセンス、時事風刺、アドリブのギャグを加えた演技はスピーディでアクロバティック、もう二度と現われないコメディアンと言われている。 なお2番に出てくるMSAとは「MSA協定」のことで、日本の軍事力増強を図るためにアメリカが援助を与えることを主旨とした内容で、この歌ができた1954年の3月8日に調印されていた。 この歌はエノケンが主演したNHKのラジオドラマ『とかくこの世は』(1954年4月~1955年3月放送)の挿入歌として誕生した。 それまでもエノ
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