ビクターレコードの創立50周年を記念する企画で、フォークソング・ブームを巻き起こしていたシンガー・ソングライターの吉田拓郎と作詞家の岡本おさみのコンビよって、若くして演歌のスターになった森進一に、書き下ろしの新曲を作るという案が通った。 アイデアを提出したディレクターの高橋隆は、入社してからまもない新人でキャリアはないに等しかったが、企画者として制作を担当することになった。 高橋が企画をのもとをするために岡本おさみ訪ねると、「今あるもので良ければ」と発売前の詩集『ビートルズが教えてくれた』のゲラ刷りを見せてくれた。 その本の170ページに載っていた「焚火Ⅰ」という詩が、高橋の目に止まった。 何についての詩なのかを岡本に尋ねると、北海道で昆布採りの女の人の姿を見て書いたものだという。 北の街では もう 悲しみを 暖炉で 燃やしはじめているらしい 理由のわからないことで 悩んでいるうちに 老い
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