いまさらですが『思想地図β vol.1』の感想 「晩年のウォルト・ディズニー(一九〇一―一九六六)は死の間際に至るまで、熱心にショッピングモールの視察旅行に出かけていたという」 この速水健朗「なぜショッピングモールなのか?」(『思想地図β vol.1』)の出だしは、ここ数年のあいだに読んだ文章の中でも一番の名文だと思う。ディズニーと消費社会論は切っても切り離せない。そしてショッピングモールもまた、消費社会と都市の繋がりを語る上で外せない。その2つが、ウォルト・ディズニーまさにその人を通じて繋がっている。その事実をさらっと出だしに持ってくるあたり、さすが。 『思想地図β vol.1』は、この衝撃の一文で始まる「ショッピング」特集が圧倒的に面白かった。都市計画とショッピングモールの繋がりを、歴史を通じて解き明かしていく様は、物を読んで興奮するということを久々に思い出させてくれた。普段このブログ