◇自由な個人の連帯こそ 3月の震災以降、しきりに連呼されるようになった言葉に「絆」がある。「3・11」「帰宅難民」「風評被害」「こだまでしょうか」といった震災関連の言葉とともに、今年の流行語大賞にも入賞を果たした。 確かに私たちは被災経験を通じて、絆の大切さを改めて思い知らされたはずだった。昨年は流行語大賞に「無縁社会」がノミネートされたことを考え合わせるなら、震災が人々のつながりを取り戻すきっかけになった、と希望的に考えてみたくもなる。 しかし、疑問もないわけではない。広辞苑によれば「絆」には「(1)馬・犬・鷹(たか)など、動物をつなぎとめる綱(2)断つにしのびない恩愛。離れがたい情実。ほだし。係累。繋縛(けいばく)」という二つの意味がある。 語源として(1)があり、そこから(2)の意味が派生したというのが通説のようだ。だから「絆」のもう一つの読みである「ほだし」になると、はっきり「人の
◇「帝国」の影響力、警察にも 英国の日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」(10日付で廃刊)の電話盗聴事件が英政界と警察を巻き込んだ一大スキャンダルに発展している。ワールド紙を傘下に置いていたメディア王ルパート・マードック氏の「マードック帝国」の威光も大きく減退。事態はその規模で、盗聴事件が大統領辞任につながった米国の「ウォーターゲート事件」にも例えられ始めた。【ロンドン笠原敏彦】 米「ニューズ・コーポレーション」のルパート・マードック会長(80)が召喚された19日の英下院メディア委員会。会長は、昨年5月のキャメロン政権発足直後に最初の官邸への招待客となった際に裏口から入った理由を問われ、「そうしろと言われたからだ。(首相は選挙での)支援に感謝するため私を招待した。ブラウン(前首相)からも何度も招待された」と明かし、政界との深い関係の一端に触れた。 今年1月に始まった再捜査で、ワールド
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発では東電だけでなく原子炉メーカーや下請け企業の作業員らも懸命に復旧作業を続けている。水素爆発や構内火災で一時は約50人にまで減った作業員を、一部の海外メディアには「フクシマ・フィフティーズ」と英雄視した報道もあるが、実際は多くの作業員が交代で危機回避に取り組んでいる。近く現場に入るという下請け会社の30代の男性社員が毎日新聞の取材に応じ「不安はあるが、少しでも(事態の)沈静化に協力したい」と話した。【袴田貴行、日下部聡】 東電によると、原子炉建屋内は20日午前も照明が消えたまま。安全性を考慮して放水時は放水だけ、電気工事の際にはその作業だけを行い、19日現在の従事者は約500人。一方、3号機周辺の放射線量は19日午後2時の3443マイクロシーベルトが、放水後の20日午前3時40分に2758マイクロシーベルトに下がったものの依然高い。20日午前5時現
雑誌や書籍にとらわれず書店やコンビニを中心に商品を展開する宝島社で、本以外のマルチメディア商品で今年もっとも売れたのは「電子たばこヘルシー」(2500円)だったことが18日分かった。5月に発売し、初版20万部を2週間で完売し、これまで210万部を発行。10月1日のたばこ税増税に伴う禁煙ブームの高まりが売り上げを押し上げており、その勢いは今も止まらず、今後も重版を続けるという。 コンセント充電式の「電子たばこヘルシー」は、水蒸気の煙を楽しむたばこの代替品で、タバコ味、洋モク味、メンソール味の三つのフレーバーのカートリッジが付いている。ニコチン・タールは一切含まない。09年に発売したUSBタイプの電子たばこは18万部を売り上げた。各フレーバーの専用カートリッジのみでも販売している。 ヒットの理由について同社は、書店とコンビニエンスストア合わせて全国約5万8000店舗という圧倒的な店舗数を持つ「
◆都市化への転換期の鏡として ◇『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』平山亜佐子・著(河出書房新社/1995円) 「帝都に跳躍する不良団の魔手 『丸ビル』を根城に美しい魔の手 媚の誘惑で帝都の内外を毒したハート団の正体」 この扇情的でやや下品、しかし読者の好奇心を果敢にかきたてる見出しは、じつは本誌『サンデー毎日』大正十三年十二月二十一日付のもの。これなら誰だって読みたくなる。 近頃再開発騒動で話題になった東京駅至近の丸ビルを舞台に、およそ九十年前、不良少女たちを率いる林きみ子というボスがいた。報道では十九から二十二と年齢も不確かなこの美女は、ジャンヌダークおきみとあだ名され、丸ビルで売春をし、良家子弟を誘惑して金品を巻き上げた罪で警察に挙げられた。このハート団事件はマスコミでセンセーショナルに取り上げられ、一躍有名となる。 この記事に興味を示した著者は、明治末期から昭和戦前
◇報酬不払い・減額…「泣き寝入りしません」 フリーの音楽家やライター、自営業者らが、不況による報酬の不払いや引き下げに対応するために労働組合を結成した。会社に雇われて給与を受け取る労働者と違い、個人事業主による組合はまれ。メンバーは「私たちの仕事は、実質的には委任や請負、外注で働く委託労働。労組を通じて仕事や生活を守りたい」と話している。【東海林智】 この組合は「連合ユニオン東京・委託労働者ユニオン」(向笠真弘委員長)。23日に結成集会が開かれ、22人が参加した。音楽家やライターのほか、小さな事務所や自宅でパソコンなどを利用するビジネスSOHO(ソーホー=スモールオフィス、ホームオフィス)を営む人たちだ。 メンバーによると、経済情勢が悪化し始めた10月ごろから、報酬の不払いや減額が目立ち始めたという。しかし、個人で企業側と交渉すれば仕事を止められるのではないかという心配から、泣き寝入りする
週刊マンガ誌「モーニング」(講談社)で連載中の「社長 島耕作」で、主人公の島耕作が社長を務める大手家電「初芝五洋ホールディングス」の社名、新ブランドの公募を始めた。採用された人には、副賞と100万円が贈られる。モーニングでも、社長の島耕作が自ら「緊急特命」と題して、読者にプロジェクトの参加を呼びかけている。 「島耕作」シリーズは83年、仕事もプライベートも「デキる」スーパーサラリーマン・島耕作の活躍を描いた「課長 島耕作」から始まり、出世に合わせてタイトルを「部長」「専務」などと変遷してきた長期連載マンガ。島が勤める初芝五洋ホールディングス(旧・初芝電器産業)は、作者の弘兼憲史さんが勤務した経験があるパナソニック(旧・松下電器産業)をモデルにしている。パナソニックは、グローバル化を理由に10月1日に社名を変更したばかりだが、マンガでも「シンクグローバル」をキーワードに、社名、新ブランドの設
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く