中小企業のやること 正直、ボクは疲れていた。 「やっぱ、中小企業の社長さんの大変さが解るよ。時給換算すれば、確実にバイトのが時給高そうだ」「マジで!?」 ボクのネット漫画雑誌は、ボクが当初思ってたよりも成功している。 けれども今のところ安定した収入は、月に20万のスポーツ用品ショップの運営会社のスノボサムライ漫画一本であり、他はアフィリエイトなどの収入のみだった。 「ゴメンね、わたしがちゃんと、原作を書ければ」 「いや。『ヴァンパイア探偵』は、高校のときに、ホントに漫画雑誌に投稿しようと思って描いたモノなんだ」 それは、懐かしくも歯がゆい思い出だった。 「当時はまだ、オレ自身の実力不足や、漫画の知識の無さもあってね。けっきょく描きもせずに、お蔵入りにしちゃったんだ」 「そうなんだ。でも、どうして描かなかったの?」 「言い訳をすれば、大学受験もあったし、シナリオのクオリティに合った絵を、描く