81歳の年に公開された新作『皆さま、ごきげんよう』でも、この流儀はたっぷり楽しめる。映画は、ふたつの短いプロローグからはじまる。最初は、フランス革命の時代に貴族がギロチンで首を落とされる話。つぎは、現代のどこかの戦場で繰り広げられる略奪や暴行の話。どちらの場面にも同じ顔の男が出てくる。 3番目の舞台は現代のパリだ。第1話では貴族に、第2話では牧師に扮していた男(リュファス)が、ここではアパルトマンの管理人を演じる。アパルトマンには、骸骨集めが好きな人類学者(アミナン・アミラナシュヴィリ)やひったくりグループの若者たちも暮らしている。ただ、今回のイオセリアーニは、『群盗、第七章』(96)のように時代をシャッフルしない。映画は現代のパリにとどまりつづけ、さまざまな光景を縒り合わせる。アパルトマンの住民以外にも、古い館に暮らす男爵、野原に小屋を建てる男、傲慢な警察署長、大金持ちの老婆、ごろつきな
![優雅で柔和で、ほどよくスパイシー](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/062434ba728b2ed46a90498b4a73f49b76b4ae88/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fmedia.gqjapan.jp%2Fphotos%2F5d27a214f05c650008e44d34%2F16%3A9%2Fw_1280%2Cc_limit%2F164-chant-d-hiver-winter-song-ec.jpg)