ニューヨーク湾内にあるエリス島は1892年から1954年まで入国管理局が置かれ、ヨーロッパからの移民が必ず通過しなければならない場所だった。シチリアの小村で両親を殺されたヴィトー少年は、祖国を逃れ船でこの島にたどり着き、感染症で強制送還されそうになる危機をかわして対岸に上陸し、やがてコルレオーネ・ファミリーを築き、ドンとしてのし上がっていった。 ロバート・デ・ニーロは、同作でヴィトー・コルレオーネを演じてアカデミー助演男優賞を受賞している。 今回紹介するショートフィルム『エリス』では、フランス人アーティストのJRが現在は廃墟と化した移民局病院にインスタレーションを展示。ロバート・デ・ニーロが、ヴィトーの少年時代、そしてここに降り立った1700万人とも言われる移民たちの人生を振り返るように、必死で生き延びようとした彼らの心情を語っていく。 新天地で第二の故郷を築いた者、島から出られずに命を落