元「広告批評」編集長・河尻亨一氏が、消費者の心を巧みにつかむヒットメーカーたちのコトバから、時代の“ツボ”を探る。インタビュー&レビューの「ハイブリッドスタイル」で、“テック”な現代のトレンドをディープに読み解いていく。 意外な「出会い」の作り方 前回は、嶋浩一郎氏の担当したプロジェクトを手がかりに、ヒットが生まれにくい時代における「編集」のパワーを見直そうという内容だった。嶋氏は広告を企画するクリエーティブエージェンシーの代表でありながら、名刺の肩書きにも「編集者/クリエーティブディレクター」と記すなど、編集へのこだわりぶりがハンパない人物である。 しかし前回も書いたように、ここで言う編集は、いわゆる雑誌や書籍、映像フィールド限定のそれではなく、メディアを超えて応用できる価値創出スキルというか、ある種の情報デザイン技術というのか、もう少し幅広い意味合いでとらえている。 「少年マガジン」と