まさに、高山宏さんはこの本のなかで膨大なサイン(表象)を相手にしています。そして、これまで人類が様々な時代において、サイン(表象)を相手にどう対処してきたかを紹介してくれています。 この講義が大学で行われていたなんて、なんともうらやましい。 デザインとは「サイン」を相手にどう対処するかという意味の哲学と手法しかも、いまの「デザイン」なんて領域をははるかに飛び越えて、本来「デザイン」がどんな文脈でどのように用いられていたかを丁寧に紐解いてくれます。 例えば、エドガー・アラン・ポーの例としてはこんな風に。 ポーはこれを『詩作の哲学(Philosophy of Composition)』(1846)や『詩作の原理』といったエッセイにまとめ、詩は神から霊感を受けたある特殊な天才による特権的な仕事ではなく、音韻の持つ機能的な構造をしっかりと分析した技術者であれば誰でも作れるとまでいう。文学もデザイナ