学生:先生、なぜフランス語には男性名詞と女性名詞があるんですか? 単語の意味だけじゃなく、いちいち男性名詞か女性名詞かも覚えなくてはならないので大変です。 先生:名詞に性があるのはフランス語だけじゃなくて、インド=ヨーロッパ語族の多くの言語も同様だけどね。男性/女性で名詞につく冠詞や形容詞なども変わってくるし、確かにやっかいだけど、これは覚えるしかない。 学生:そもそも男女の区別がない事物も男性/女性に分類されるなんて変じゃないですか。「絵画」peinture は女性名詞、「芸術」art は男性名詞。「ビール」bière は女性だけど、「ワイン」vin は男性とか。いったい何を基準にして男女に分かれているのでしょうか。 先生:無生物についての男性/女性の割り当ては恣意的で、性と単語の意味とは関係ないんだよ。男性/女性といっても、それは文法的な約束事でしかなく、雌雄の性別とは別物と考えなくて