雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。2023年の年頭の今回は、外観のアーチが古代ローマ時代の建造物のような印象を与える住宅兼事務所。実はこの家のデザインは、多彩な植物を育てるために考えられたものだった。デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。 小さな森に埋まった遺跡のよう 東京都練馬区の石神井公園。かつて池の畔の料亭が賑わった、高級な住宅が並ぶエリアだ。そのなかでも、建築家の武田清明さん(40歳)が設計し、自宅+事務所として使っているデザインの個性が際立つ家は、小さな森に埋まった忘れられた遺跡のようだ。 武田さんは、この家を「プランターみたい」と例える。植物がうまく育つように考えられているのだ。専門家の手を借り111種類の植物が植えられている。ローマ時代の建物にありそうな、大小様々なサイズのアーチが見え隠れしているが