最近はじめて作品を見て、いたくお気に入りのアニメ作家がシルヴァン・ショメです。「ベルヴィル・ランデブー」のコミカルでグロテスクな狂騒、静かな哀愁ただよう「イリュージョニスト」、「老婦人とハト」のとぼけた狂気、なにもかもに惚れ申した。特に、ベルヴィル・ランデブーの強烈なデフォルメ表現には異様に惹かれるものがあります。この架空の巨大都市、まさに異形都市好きの桃源郷。 ベルヴィル・ランデブーの劇中には、なつかしい時代の音楽や演芸へのオマージュ?あるいはパロディ?がたくさん仕込まれています。でも物語の本筋としては、「誘拐された孫を助けるためにばあちゃんが戦う」というだけのいたってシンプルなもの。説明だけなら一言で済んでしまう話なのに、思いがけない面白さで動く絵や細やかな芝居やごちゃごちゃした風景に見入っていると、1時間があっというまにすぎていきます。基本的に芝居はパントマイムなので、言葉にたよらず