近藤 克則氏(千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門教授/同大大学院医学研究院公衆衛生学教授/国立長寿医療研究センター老年学・社会科学 研究センター老年学評価研究部長) イチロー・カワチ氏(米国ハーバード公衆衛生大学院 社会・行動科学部長/社会疫学教授) “健康の社会的決定要因”を研究する学問「社会疫学」の進歩により,日本でも健康格差の問題が脚光を浴びている。健康格差の縮小に向けて医療者は何ができるのか,興味を持つ人も増えてきているのではないだろうか。 本紙では,社会疫学研究の第一人者であるイチロー・カワチ氏と,このたび『健康格差社会への処方箋』(医学書院)を刊行した近藤克則氏に,健康格差社会の解消に向けた社会疫学の最新知見をお話しいただいた。 近藤 カワチ先生との対談は2004年以来です(本紙第2566号『「社会疫学(Social Epidemiology)」とは何か?』)。当時の