准尉は、軍人らしからぬ人でした。 理想の上司、誠実な夫。 しかし、今から78年前の8月18日、終戦3日後のこと。 妻と生後間もないわが子とともに、命を絶ちました。 「我れにその力すでになし」 遺書には、悲劇の理由が記されていました。 (長野局記者 長山尚史) 目次 ある一家の死 “理想の上司” 遊佐准尉は殴らない
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ハンセン病療養所内には大なり小なり図書室が設置されている。山下道輔氏らが中心となって運営していた旧ハンセン病図書館(1)のように、外部のひとの要望に応えて資料を提供する類の施設ではなく、入所者が読みたい書籍を購入し、貸し出す施設である。近年は利用者の減少にともない閉鎖してしまった療養所もあるが、園によっては週に数回、数時間だけ職員が開いて継続している。以前、菊池恵楓園の図書室を見学させてもらったことがあるが、文芸活動が盛んだった頃に創作活動をおこなっていた入所者がリクエストしたであろう文学全集や、文芸を通した外部とのつながりによって寄贈されたと思しき文芸誌などが書棚にあった。また時代小説や推理小説といった読物、各療養所の機関誌なども並んでいて、その蔵書群には入所者のその時々の読書傾向がうかがえるようで、とても興味深く眺めたものだった。 ところで、これら図書室に配架された書籍は、どのような方
Leprosy Diagnosis and Treatment ハンセン病という病気を 知ってますか? ハンセン病、あるいは、「らい病」と呼ばれた病気を知っている人は、いまではとても少ないでしょう。 しかし歴史をさかのぼると、ハンセン病は「神さまからの罰」「前世の行いが悪かったためにかかる病気」などとされ、 さまざまな差別の対象となってきました。 ハンセン病とは、 どんな病気なのでしょうか? ハンセン病は、らい菌と呼ばれる菌によって引き起こされる、慢性の感染症だということがわかっています。感染力はきわめて弱く、95%以上の人が、らい菌に対する免疫を持っているため、たとえ感染しても自然治癒し、発症することはきわめて稀です。一般的な初期症状は、皮膚に現れる斑紋です。この斑紋は白、または赤・赤褐色で、知覚がありません。この特徴が、草の根レベルで診断する際の判定基準となっています。 なぜ人々から恐
少し前に東京の文化や地方都市の文化、みたいな話題が増田で盛り上がっていた。 大体、こういう話題のオチは東京は消費文化に過ぎないとか、クラブカルチャーのようなものは地方都市では生まれ得ないといったマウント合戦になる。 お盆で帰省していたので亡き父の書斎の整理をしていた。 我が家は地方都市の自営業。地主階級ではなく、単なる1代限りの商売をした層だ。自分は継がずに東京でサラリーマンをしている。 そんな父はエスタブリッシュメントではないが、書斎や職場の倉庫に優に2万冊を超える書籍を残していた。 思い出せば父は休みの日は本を片手にソファで寝っ転がっていた。インテリ風な見た目、オシャおじな見た目では全くなかった父は、家族以外の他人からはいつも印象と蔵書量がピンと来なくて驚かれる。 あまり父と本の内容や政治経済の話をしないので、読んでいた本の傾向はわからないが、いわゆる雑食型だと思う。そもそも大学教授や
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