ニュース 奈良のシカ、1000年以上前に祖先から分岐 独自の遺伝子型保持は手厚い保護の証 2023.02.09 観光客に親しまれてきた奈良公園(奈良市)のシカは1000年以上前に祖先集団から分岐し、その後独自の遺伝子型を持つ系統として長く生き残ったことが、福島大学などの遺伝子解析の結果から明らかになった。研究グループは、奈良のシカが消滅することなく生存できたのは「神の使い」などとして手厚く保護された証とみている。 奈良のシカは、日本を代表する大型野生動物であるニホンジカの仲間。ニホンジカは国内では北海道から南西諸島に至るまで広く生息している。この中でも奈良公園周辺のシカは1957年に「奈良のシカ」として国の天然記念物に指定されている。奈良県の調査では昨年7月時点で約1200頭いるという。 福島大学共生システム理工学類の兼子伸吾准教授と理工学研究科大学院生の高木俊人さんや山形大学、奈良教育大