安田靫彦(やすだゆきひこ)をふくめ、後に院展の三羽烏とよばれた小林古径(こばやしこけい)と前田青邨(まえだせいそん)は、共に、歴史画を得意とした梶田半古塾の兄弟弟子でした。沐芳さん(修善寺・新井旅館三代目主人 本名:相原寛太郎)は、この二人が描いた同じ主題の作品を所持しています。 本展では、基本的に作家ごとに作品を紹介していますが、この二幅だけは、特に並べて展示しています。 右 小林古径筆「重盛(しげもり)」明治44 年 28歳 伊豆市蔵 左 前田青邨筆「燈籠大臣(とうろうのおとど)」 明治末 20代半ば 伊豆市蔵 両方とも、烏帽子をかぶり、白い直衣を纏った人物が描かれ、まるで中尊寺金色堂のような柱、燈籠が描かれていますね。この人物は、平清盛の長子で重盛、別名、燈籠大臣(とうろうのおとど)と呼ばれた人です。『平家物語』によれば、重盛は東山の麓に48間の御堂を建てて、1間ずつ燈籠をかけ、毎月
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