リーマン・ショック後の4兆元の景気刺激策が終わり、その副作用に目が向けられるようになると、地方融資平台(LGFV)に対する評価は変わり、LGFVは中国国内でも地方政府の債務統計に反映されない隠れ債務を増やす元凶と目されるようになった。 市場で取引されない資産を対象にした「非標」と称される負債性金融商品のデフォルトは過去最高の水準にある。今のところ、それらはいずれも不適切な資金管理によって返済がわずかに遅れた「技術的デフォルト」とされるが、「実質的なデフォルト」に移行することが懸念される。中国はLGFVの実質的デフォルトを経験したことがないため、それは中国経済を揺るがす新たなリスクといえる。 LGFVの債務を含む中国全体の債務を俯瞰すると、①LGFVが地方政府全体の債務残高を増やす主因となっている、②LGFVが隠れ債務増加の主因になっている、③隠れ債務がもはや「隠れ」という名前に相応しくない