ブルームフォンテーンからヨハネスブルクへ移動する車中から見えた風景。高地ゆえに雲が低く感じられる 【宇都宮徹壱】 日本がカメルーンを破った歴史的勝利から一夜明けて、私たちのグループはブルームフォンテーンから再び陸路、ヨハネスブルクに戻ることになった。宿を出て朝の外気に触れると、あまりの冷たさに寝不足気味の頭が一瞬でシャキッとなる。蒸し暑い日本からは想像もつかないだろうが、南半球は今が冬。ジャングルとサバンナと砂漠のイメージが強いアフリカでも、赤道を越えれば普通に冬は寒い。ワールドカップ(W杯)といえば、何となく「夏の大会」というイメージが強いが、今回の南アフリカ大会は1978年のアルゼンチン大会以来の「冬の大会」である。この日、ヨハネスブルクのエリスパークでは、20時30分からブラジル対北朝鮮の試合が行われることになっていた。大会5日目で初めて経験する冬の夜のゲームは、間違いなく寒さとの戦