上の画像のオレンジ色の円で囲まれている部分はカニ本体ではなく寄生動物「フクロムシ」の生殖器官である。 カニなどの甲殻類をターゲットにするフジツボの仲間、「フクロムシ(Sacculina carcini)」は、取りつかれたら最後、とんでもないハッキングスキルでカニを乗っ取ってしまう。 カニの下腹部あたりに取り付くと「寄生去勢」という技を発動し、オスの場合は強制的にメスにされてしまうのだ。 ここでは、フクロムシの不思議な生態について見てみよう。 甲殻類に寄生する甲殻類の仲間「フクロムシ」 フクロムシは、甲殻類の「根頭上目」というグループに分類されている。そう、甲殻類に寄生する甲殻類なのである。 フジツボやカメノテの親戚なのだが、目に見える部分はそこまで硬そうではない。 生まれたばかりのフクロムシは、甲殻類らしくエビやカニの幼生ような姿(「ノープリウス幼生」)をしているが、脱皮を繰り返しながらち