2020年にインバウンド(訪日観光客)4000万人という数字を、当時の安倍晋三政権は目標として掲げていた。実際にその前年の19年には約3200万人という数字を叩き出していた中では、この4000万人という規模の実現は時間の問題であると思われていた。そこへコロナ禍という「荒天」が襲うなどということは、誰も想像していなかったのである。 それからわずか2年後の現在、1年半を遥かに超える「荒天」を受けて業界は未曾有の危機に直面している。中でもインバウンドは〝減少〟どころか〝壊滅〟という現在、改めて4000万人という数字を語るというのは、非現実的と思われるかもしれない。だが、私は仮にコロナ禍が何らかの収束を見るのであれば、日本の観光産業の実力としてはインバウンド4000万人どころか6000万人も視野に入れて考えなくてはならないと考えている。 これは、決して荒唐無稽な楽観論ではない。なぜならば、この1年
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