私はアベノミクスがもてはやされた頃から、未曾有の金融緩和でも2%のインフレは絶対に起こらないと断言していたし、その理由を長寿社会の先進国日本における国民の将来への不安だと指摘した。だから、将来的には70歳定年を視野に入れて法律で65歳定年を定め、それによって民間企業に年功序列型の古い賃金体系を変えさせなければならない。 経済3団体が定年延長を拒むのは、今の賃金体制のまま定年だけ延長すればコスト増でパンクするから。政府は、経済団体や連合と協議しつつも、人口が毎年100万人増えていた新興国時代の古い日本的経営から脱却するための、強力なリーダーシップを発揮しないと国民の将来への経済的不安が解消せず、デフレからの脱却もあり得ない。