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ブックマーク / mazmot.hatenablog.com (8)

  • 書くだけなら、犯罪の手口を書いても罪には問えない(ふつうは) - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    死んだ祖母が私が子どものころに「世のなかに覚えておいてわるいことは何もないよ」と言っていたのを、いまでもその口調とともに思い出す。「泥棒だけは覚えたらあかん」とも言っていたのだが、この「泥棒を覚える」は知識の類ではなく、慣用表現で「悪事を習慣化する」という意味だから、祖母の意図としては「知識に関しては制限を設けるな」ということだったのだと思う。というのも、この話をしてくれた時期、私は将来のビジョンも何もなく、ただ手当り次第にに読みふけっていた。昭和の私小説からコンクリートの打設方法まで、古代史からソビエト製の通俗科学書まで、ノージャンルで目につくものを片っ端から読んでいた。そして不安になった。いったい自分は何をやってんだろうと思った。そういうときに、そんな私の内心の焦りを的確に見抜いて「泥棒のほかは覚えてわるいことなんて何もないよ」と言ってくれた祖母の言葉は、私の心に深く刺さった。 実際

    書くだけなら、犯罪の手口を書いても罪には問えない(ふつうは) - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて
  • 民主主義って何かというのが、まず人によってちがうという話 - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    細かい話をするといろいろと面倒なので、大雑把な話。 このあたりを読んで、「ああ、なるほど、そもそも民主主義ってものに対して考え方がまったくちがう人がいるんだなあ。それもけっこうな多数で」と思ったので、そのこと。 anond.hatelabo.jp まあ、以前から生徒なんかにもいってることなんだけど、家庭教師としての私の立場から「民主主義ってなんですか」というのをごく大雑把にまとめると、「みんなで知恵を出し合って、みんなが納得する政策を決めていくこと」みたいになる。なぜなら、それが学習指導要領に通底している科学主義だからだ。科学主義そのものには、個人的にはいろいろ怪しいところもある気がしないではないのだけれど、現代の教育課程においては科学主義が採用されているし、究極の話が学校の成績は科学主義的な素養によって決まるのだから、自分の好みとかはさておいても、立場上はそこに立脚しなければどうしようも

    民主主義って何かというのが、まず人によってちがうという話 - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて
  • 中学受験は、やっぱりおかしい - 基礎教育が目指すものと評価基準の乖離 - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    「成長」というとらえどころのないもの 教育が目指すものは、なにはさておき、人間の成長である。人間の成長を支える介入を教育とよぶ、と定義しても差し支えないほどだ。原理的に、これに異を唱える人は多くないだろう。多数の人が教育を人間の権利とし、それを提供することが社会の義務だと考えるのも、それが人間を成長させるからだ。人間は成長する権利をもつのだし、成長を支えるのは社会である。生物はその基特性として成長するのだし、社会的生物である人類はそれを構成する個人のそれぞれの成長によって成り立っている、ともいえるだろう。 ここに、教育を評価する根的な困難が存在する。というのは、人間の精神的な成長は、容易に測定できない。さらに、介入が効果を上げたかどうかの測定は、それ以上にむずかしい。というのは、およそ人間は、教育なんか受けなくったって、それなりには成長するからだ。だから、仮に精神的な成長が観測されたか

    中学受験は、やっぱりおかしい - 基礎教育が目指すものと評価基準の乖離 - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて
  • なぜ勉強するのかを教えてはならない - 家庭教師の経験を通じて見えてくる真理 - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    家庭教師としての経験も5年になった。入れ替わりの激しいこの業界だから、ベテランと言ってもいいだろう。これは「プロ」としての経験という意味だ。大学生のアルバイトとか、そういうのは除外したい。 その私が、いくつかの例外的なケースを除いてほぼ最初からずっと厳格に適用してきているルーチンがある。それは、初回の指導時に、「なんで勉強するんですか?」と生徒に聞くことだ。どうしても都合で第1回めにできないときには2回めとか3回めになる場合もあるが、できるだけ早い時期にこれを確認しておく。 当は、「勉強」という言葉も使いたくない。これは誤用だし、危険な言葉だ。けれど、「学習」みたいなよそ行きの言葉では生徒と話が通じないから、しかたなしに使って尋ねる。「勉強は好きですか?」「好きじゃないです」「じゃあなぜ、好きじゃないことをするんですか? なぜ勉強するんですか?」すぐに答える生徒は多くない。たいていは、こ

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  • BlackLivesMatterは「黒人の命は大事」なのか? - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    合衆国を吹き荒れる#BlackLivesMatterの嵐は、けっして他人事ではない。現代社会がコロンブス以降のグローバル化の果に成立していることを思えば、そのなかで植民地支配の歴史と人種差別の歴史はすべての人々の生活に分かちがたく絡まり合っているといえる。だから、合衆国に依然として残る人種差別の問題は、世界にすむすべての人々の問題でもある。 ということはなにも私が言うまでもないことなのだが、この記事のタイトルを見て「?」となった。いや、誤訳じゃない。これはこれで正しいのだけれど、それでいいのか?と。 www.bbc.com 「黒人の命は大事」、ホワイトハウス前に巨大ペイント 米ワシントン - BBCニュース 議論があるにしても、「black」がかつてアフリカ大陸から暴力で連行された人々にルーツを持ち、一部その他の人々も含みながら現在も合衆国で差別されている人々を表す言葉であることは間違いな

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  • 「うちで踊ろう」の一件について - わかっちゃいない大人たち - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    星野源の「うちで踊ろう」動画を官邸ツイートに利用した件で、ネットは今日もにぎやかだ。来なら私はこの件になにか一言はさむ資格はない。というのは、テレビを見ない私は星野源というシンガー(一応、さっきからあえて「さん」は付けずに書いてる。そのぐらいにはアイコンであろうという認識はある)のことはほとんど知らないからだ。もちろん、この時代、テレビなんか見なくても動画を探せばいくらでも出てくる。たとえば www.youtube.com トップアーティストであることが十分わかる歌唱力、曲作りだろう。好みかどうかはおいておいて、実力は申し分ない。 今回の騒動は、彼がカバーやダンスで多くの人に乗っかってくるのを呼びかけた「うちで踊ろう」に、なんと官邸オフィシャルのTwitterが反応して首相が家でくつろぐ動画をアップしたことによるものだ。日曜の朝、これを見たとき、私は「あ、これは確実に炎上案件」と思った。

    「うちで踊ろう」の一件について - わかっちゃいない大人たち - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて
  • なぜ学校はワープロを受け入れない? - 「現実」に過適応していると未来が失われる - 天国と地獄の間の、少し地獄寄りにて

    私の観測範囲だけのことではあるのだけれど、現代の小学校、中学校、一部の高校においては、パソコンを使用した提出物を受け入れない。もちろん細かいことをいえば例外はあって、たとえば小学校の夏休みの自由課題なんかでパソコンを使った研究みたいなのはあり得る。けれど、パソコンで制作されたもの、たとえば読書感想文であるとか自由作文とか、ワープロ打ちしたものは、受け付けない。もちろん、「ノートまとめ」とか、「自主勉帳」みたいなのをワープロ打ちすることも許されない。 「なんで?」と思うのだけれど、これにはちゃんと理由がある。まずひとつには、「パソコン使ったら漢字を覚えないでしょう」というものだ。それから、「人が書いたのか筆跡でわからない」というのもある。人の代わりに親が書いたのかもしれないし、ネットから拾ってきてコピペしたものかもしれない。そういう不正を防ぐために、ワープロ打ちは認められない、というもの

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  • 疑いだしたらきりがないという話 - シアワセの容相

    どうでもいいブコメに割とホシがついているので、補足しておこう。 家に届いた怪しげな封書がこちら→調べてみたらやっぱり詐欺だった「何と手の込んだことを」 - Togetter こないだ実家に「警察です、特殊詐欺が増えていますのでご用心を」とかいう人が来たそうだが、80超えたウチの母親は「あいつが怪しい! 写真撮っとくべきだった」と言ってる。 2018/12/22 08:34 b.hatena.ne.jp この事件(?)が起こったのは1週間ほど前で、たまたま在宅していた母親(事情で不在なことが多い)の家の玄関口に、私服の男が立った。ちなみに実家は50年ほど前に農村から都市化した地域で、現在はすっかり住宅地になっており、さらにかなり前から道路工事が継続していて交通整理員なんかも常駐しているので、まあ人目も多くて犯罪の起こりにくい地域だと思われる。 さて、母親が出てみると、男は何やらメダルのような

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