小説を商業出版することになり、これまで自分で書いて見直すだけだったのが、編集者・校正者による校正・校閲のプロセスを初めて体験した。その過程で差別語・差別表現に関しての指摘を受けて、改めて自分の中での判断について少し整理しておきたいと思った。 ある言葉が持つニュートラル、ネガティブ、ポジティブの三相を同時に見ないと、「その言葉をここで使うのが適切か」は判断ができないけれど、三相のうち一面しか見なかったり知らなかったりすると正確に判断ができなかったり、話が噛み合わなくなったりする。 指摘を受けた点1 「発狂」や「狂人」に指摘が入った。 江戸時代に実在したという届出「発狂扱ひ」に言及した箇所に指摘が入った時はどうしようかとも考えて、「精神状態の異常による行動という届け出」と言い換えた。 明治時代に精神障害者が「狂病者」と呼称され、「狂」に否定的・差別的な意味あいが付与されてきた。1970年代に「
0 noteでの公開に際しての前書き ご無沙汰しておりました、もしくは初めまして、Ethnoです。 筆者は現在、大学院の博士課程で文化人類学を専攻しています。日本語圏のオンライン空間(≒インターネット)をフィールドとして調査をしており、「淫夢」という文化における人々の実践を対象に研究を進めています。「文化圏の研究はその文化圏に還元すべき」がモットーなので、筆者が2022年に執筆・提出した修士論文を公開してみることにしました。 本論はTwitter(現:X)をフィールドに「淫夢」を人類学的なアプローチから調査・解釈を試みた論文となっています。淫夢に関するテキストとしては「学術的な視座から真面目に取り扱う」という事が、人類学研究としては「ネットの文化をネットの文脈で解釈する」という事が、それぞれアピールポイントになるかと思います。執筆から1年経った現在見返すと正直ガバガバな部分も多いのですが、
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