次世代エネルギーとして期待される核融合発電の実用化が現実味を帯びてきた。核融合は「地上に太陽をつくる研究」と呼ばれ、太陽が膨大なエネルギーを生み出す現象を再現し、発電などに活用する。実現すれば燃料1グラムから石油8トンに相当するエネルギーを得られるが、可能性が見通せず「永遠に30年後の技術」ともやゆされてきた。近年は研究開発が進展し、ベンチャー企業による野心的な目標の表明が相次ぐ。脱炭素化やエネルギー源の確保に資するとされ、日本もビジネスの創出に向けた動きが加速している。 (時事通信経済部 松田靖子) 核融合反応のイメージ【時事通信社】 資源は豊富、脱炭素化も 核融合は、水素の仲間である重水素と三重水素の原子核を結合させる反応が一般的。原子核同士がぶつかり合ってヘリウムに変わる際に、はじき出された余剰の中性子からエネルギーを集めて電気を起こす。重水素は海水中に含まれ資源の枯渇の懸念がないた