過去に水害があった土地は、地名にその痕跡が残っていることが多い。筑波大学名誉教授の谷川彰英さんは「地名に『袋』や『沼』がつくところは、水害時に水がたまる危険地帯であるおそれがある。豊島区の池袋や中野区の沼袋などは典型的だ」という――。(第1回) 【写真】谷川彰英氏の著書『全国水害地名をゆく』(インターナショナル新書) ※本稿は、谷川彰英『全国水害地名をゆく』(インターナショナル新書)の一部を再編集したものです。 ■「池袋」は水害地名なのだが… 池袋は今や東京でも指折りの大繁華街に発展しているが、それは水害地名の「池袋」に関連しているのか、その謎を解明する。 「袋」地名は全国に分布するが、その大半は土地の形状、つまり「地形」に由来する。全国の多くの都市にある「袋町」という町名は町筋が袋小路風になっていることにちなむが、「袋田」(福島県須賀川市・茨城県久慈郡大子町)、「袋原」(宮城県仙台市太白
