マイケル・サンデルによれば、アメリカ人は「失敗に報酬が支払われること」を許しがたい不正義だと感じるらしい。比べて日本人はどうだろう? 「労働せずにカネを得ること」にやたらと厳しい……という印象を私は感じる。右派と左派、保守とリベラルを問わず、「働かざるもの食うべからず」と主張する。 ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上) 作者: マイケルサンデル,Michael J. Sandel,NHK「ハーバード白熱教室」制作チーム,小林正弥,杉田晶子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/10/22メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 25人 クリック: 151回この商品を含むブログ (56件) を見る これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 作者: マイケル・サンデル,Michael J. Sandel,鬼澤忍出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/
(独歩安を続ける日本の賃金 Economic Outlook より) 経団連は2013年1月21日に発表した今春闘の指針「経営労働政策委員会報告」で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を「実施する余地はない」と一蹴し、それどころか、年齢に応じて賃金が上がる定期昇給の延期や凍結の可能性にも言及しました。 経団連の米倉弘昌会長と連合の古賀伸明会長が1月29日都内で会談し、平成25年春闘が本格スタートしたのですが、会談で労働側がデフレ脱却には働く者の賃金や処遇改善が重要と訴えたのに対し、経営側は企業の存続と雇用の維持が最優先と主張しました。 賃上げしないと国民の購買力は上がらず、消費マインドは冷え切ったままで、結局お金を使えないので企業の業績も上がらないし、景気も良くならないし、デフレからも脱却できないという小学生でもわかる理屈だと思うのですが、守り一辺倒の経団連だけは思考停止したままでわか
安倍晋三首相は政権復帰早々、中国と厳しい局面に立たされ、アルジェリア人質事件にも直面しました。試練の連続といえます。 日中間の問題は、デリケートであり、論ずれば論ずるほど話は複雑になっていく。日本は今までのスタンスを変えず平然としている必要があるでしょう。 人質事件は、日本政府には防ぎようもなく、誰が首相であっても有効な手段は持てなかったでしょう。その中でも、安倍さんは政府専用機の派遣を決断するなど、日本政府としてできるだけのことをやろうとしました。評価していいのではないでしょうか。 閣僚も首相の意に従って政権運営に本気に向き合っている。第2次安倍内閣は良いスタートを切ったと思います。 ただ、経済政策には賛成しがたい部分があります。 日銀との間で2%の物価上昇目標を共同声明にしました。政府と日銀がよく話し合い、政策で協調を取るのは望ましいことです。しかし、中央銀行の独立性はどの先進諸国も採
アルジェリア人質殺害事件での被害者名の問題について、昨日もFacebookで書いた。私の意見を要約すれば、以下のようなこと。 つまり、新聞記者は『一人の人生を記録し、ともに悲しみ、ともに泣くため』などと高邁な理想で被害者の実名報道の重要性を語るけれども、実際にやってるのはメディアスクラムで遺族を追いかけ回しているだけ。つまり新聞記者の側は、「理想とすべき報道理念」を語っているけれども、遺族取材を批判する人たちは「現実の報道の姿勢」を問題にしているということ。 この乖離を埋める努力をしない限り、新聞記者の理念などだれにも理解されないよ、ということを書いたのだった。 しかしこの乖離を(たぶん無意識のうちにだと思うけれども)回避させている意見が、今日にいたってもあいかわらずマスメディアの側に目立っている。 たとえばカバの人が語るイメージ先行のメディア批判とメディアの説明責任というTogetter
アルジェリア人質拘束事件について、犠牲者の実名を非公表とした日本政府に対し、朝日新聞が22日朝刊で実名報道を開始。メディア各社が追随したことに対し、論議を呼んでいる。 21日深夜、日本政府は同事件で日本人犠牲者がいたことを確認し、公表した。その会見の際に菅官房長官は、会社(日揮)、ご遺族と相談の上、実名は公表しないことに決めたと、犠牲者の実名を明かさないことを表明した。 しかし翌22日、朝日新聞は朝刊に犠牲者の実名と写真を公表。これを受けてテレビ、新聞各社も追随、実名が広く報道されることになった。 Twitterなどでは22日午前からこの実名報道に関するツイートが増加。トレンドにも「実名」が載ったほどで、そのほとんどは実名報道を非難するものだった。午後になり各社が追随し、記者やマスコミ関係者と思われる人からの「それが何よりの弔いになる」「事件を公的なものとして歴史に刻むため」といった論拠が
2013年をどう生きるか、直木賞作家・石田衣良さんに聞く。テーマは経済。「どん底から見える日本の希望」について語ります。(聞き手=フリーライター・神田憲行) * * * --今年の経済、景気はどう見ますか。 石田衣良:まあ、大底、どん底の年になると思いますよ。円安にするのはいい手ではありますけれど、輸出企業がどんなに儲かっても、将来が暗いので経営者も怖くて給料をあげてくれませんよ。賃金そのままでモノの物価だけが上がるので、みんなの生活が苦しくなる。我慢の1年ですね。 --なにが問題だと考えていますか。 石田:少子化で人口が減っていることと、世界で売れる製品が作れなくて、日本人ひとりひとりの稼ぐ力が落ちていることです。解決するには恋をして結婚して子どもを作り、コツコツと目の前の仕事をこなしていくしかないですね。 --日本の家電メーカーがのきなみピンチですもんね。 石田:象徴がダイソンとルンバ
3・11は世界を変えた。ところが第二次安倍政権。発足早々、何の議論もないままに、原発の早期再稼働はおろか、新増設にも含みを持たすとは。福島の被害は続くのに、もうあの衝撃を忘れたか。
■残念な世論調査攻撃 一部のフリージャーナリスト、あるいは週刊誌やスポーツ紙の記事執筆者は世論調査を毛嫌いしている。それなりに適切な世論調査を行うためには、それなりの資金力が必要であり、現代において世論調査報道は大手メディアの独占物であるかのようになっている。こうした大メディアへの対抗心、悪く表現して嫉妬が、近年の世論調査叩きのベースにあるのは間違いないだろう。もちろん、それを読んで喜ぶ読者が向こう側にいてのことである。 もっとも、こうした業界内ルサンチマン的な批判は、結局自らの調査不足、無知などをさらけ出すだけに終わることが多い。たとえば2012年の衆院選期間中に大量にRTされた週刊ポストの「鳥越俊太郎氏 若者ら除外する世論調査結果の信憑性に疑問」という記事では鳥越俊太郎氏が「選挙に関する世論調査の結果を発表する前に選挙の担当者が数字を"調整"するのをしばしば見てきた」と述べているが
世の中にはすでに答えが出ているにもかかわらず、いまだに議論されている問題があり、人類のリソースを無駄遣いし続けています。先日話題になった「35歳の男に初デートでサイゼリアに連れて行かれたでござる」に関連して勃発した、「ファミリーレストランでのデートはダメなのか」問題もそうです。 なぜ、すでに結論が出ている問題について議論を蒸し返す人がいるかというと― A子:「気になる人からメールがきたんだけど」 B子:「よかったねー」 A子:「ちょっと読んでくれる?わたしのこと、どう思ってると思う?」 B子:「うーん、単なる業務連絡にしか読めないね」 A子:「えー、でもハートの絵文字が入ってるよ。男が絵文字を使うときはよっぽどらしいっていう話だし……」 B子:「よく見てみなよ。ハートが割れてる絵文字じゃない。そもそも心臓が割れるはずがないから、これ、もとからハートじゃなかったんだよ。曲がりせんべいか何かじ
昨晩9時からのNHKスペシャルでは「日本国債」についてその危機的な状況が報道されていました。*1 確かに日本の政府粗債務は2012年9月で約1100兆円に積み上がっています。 番組では、日本国債売りを仕掛けているヘッジファンド、ヘイマンキャピタル代表 カイル・バス氏も登場し、「私たちは何年も前から日本の借金レベルは返済できないレベルにあると考えています。」と語っていました。 しかしその一方で、国債の安全度のひとつの指標となる長期国債金利は日本国債ではギリシャ国債などとは全く反対に、1%を下回り、世界最低レベルで安定しています。 では日本国債は本当は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。 また日本国債の問題の本質とは何なのでしょうか。 1.内債としての日本国債 よく知られていますように、日本国債の保有者は、9割以上が日本国内居住者です。 内債は、政府は国債を発行することに事実上制約がなく、
日銀と外国人の国債保有割合が増えている 日本銀行と外国人投資家が持つ日本国債の量が、今年9月末でそれぞれ過去最高になった。日銀の保有残高は初めて100兆円を突破。国の借金を日銀が支える構図が強まる一方、「逃げ足」の速い外国人のお金も流入。ひとたび財政不安になれば、国債が一斉に売られるリスクが徐々に高まっている。 日銀が21日に発表した資金循環統計(7〜9月)によると、日銀の9月末時点の国債の保有残高は104兆9250億円。前年比で22.0%伸びた。国債発行残高(約948兆円)に占める割合も11.1%で過去最高だった。 日銀の保有割合が伸びたのは、金融緩和のために銀行から国債を買い入れて市場にお金を流しているためだ。2000年代半ばにかけては、世界的に景気がよかったため、国債の購入が減っていたが、08年秋のリーマン・ショック後、また増えてきた。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただく
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル みわよしこ 急増する生活保護費の不正受給が社会問題化する昨今。「生活保護」制度自体の見直しまでもが取りざたされはじめている。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を知ってもらうことを目的とし、制度そのものの解説とともに、生活保護受給者たちなどを取材。「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 政
映画の上映前には必ずと言っていいほど挿入される「NO MORE 映画泥棒」のCM。これまでは「劇場内での映画の撮影・録音は犯罪です」といったメッセージとともに、クネクネと踊るカメラ男(通称)を女性(ティアラさん)がポカーンと見つめている――というものでしたが、これが少し前から新しいバージョンに差し替わっているのをご存じでしたか? しかも新バージョンには、あの女性が出演していない……! 確か12月頭くらいに別の映画を見た時は変わっていなかったはず。一体いつから変わったのか? 気になったので「NO MORE 映画泥棒」のCMを制作している、日本映画製作者連盟に聞いてみました。 「NO MORE 映画泥棒」のポスター (C)「映画館に行こう!」実行委員会 「11月23日公開の『ロックアウト』という映画がたしか最速だったと思います。あのCMは映画館側が流しているのではなく、映画配給会社側が本編前に
早い話が「謝罪記事まだー?」ってなことなんですが、詐欺で逮捕されたペニーオークション『ワールドオークション』を宣伝したメディアの方々が黙って記事削除してそしらぬ顔してるのはどうかと思うんですよ。 どこって、以下の5メディアです(すでに記事が削除されているのでリンク先はいずれもGoogleキャッシュ)。 (PR)最新デジモノだけじゃない! 本・飲み物・サプライが沢山あるオークションサイト『ワールドオークション』 – ガジェット通信 [PR]話題のペニーオークションでガジェットを安く手に入れよう! : ギズモード・ジャパン [PR]オープン直後がねらい目? 格安オークションサイト「ワールドオークション」 : Kotaku JAPAN 【PR】手数料タダの商品も! ワールドオークションでペニーデビュー! – 日刊サイゾー 【PR】プラダの財布が94%OFF? 新感覚オークションでお得にショッピン
朝日新聞デジタル:経団連会長、安倍氏に謝罪 「全面的に経済政策を支持」 - 政治を読んで思ったことなんですけどね。 この記事を読んで、米倉日本経団連会長が勝ち馬主義だとか政権になびくだとかの批判をする人がいて、そのこと自体を否定するつもりはないですが、むしろ私は、なんで米倉氏が、消費税の景気条項だとか金融緩和策に批判的であるのか、ということが気になります。なぜならば、これらの二つの政策は、輸出企業をその有力構成者としてもつ日本経団連にとって、嬉しい政策であるはず、にもかかわらず、その長である米倉氏が批判しているからです。むしろ自分たちの損得を考えれば、日本経団連としては、景気が悪ければ消費増税凍結だとか、金融緩和で円安だとかというのは、間違いなく得なはずなのに。 私は米倉氏ではないので、その心中はよくわかりませんが、財界人としての訓練を十分に経ることなくそのポストについてしまった米倉氏にと
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