福島原発の事故は「科学技術の挫折」だとあるメディアが書いた。違う、これは「人間の過信」だとツイッターでつぶやいた。脱原発が説得力をもつ理由もそこにあると、個人的に思う。 そもそも、科学や技術そのものは無色透明で政治的な志向もない。核分裂反応を爆弾に応用したのも、発電に活用したのも人間の勝手である。人殺しやイデオロギー対立の脅し合いに使われようが、大事故が起きたらとてつもない健康被害が生じるのを承知でタービンを回すのに使われようが、原子力技術の知ったことではない。 しかも東京電力の事故は電源喪失による冷却機能消失という、原子力発電においてコアとなる技術とは無縁のところで起きた。これが原子炉そのもののトラブルであれば、技術的な対処をして維持していくのもやむを得ないかな…くらいに思ったかもしれない。そうではなく、運転席の床に放置していた空き缶がペダルにはさまって車のブレーキがきかなくなるようなこ