福島県楢葉町に本社を置く新電力、福島電力が電力小売りから撤退する。その実態が、日経エネルギーNextの取材で見えてきた。事業開始から半年程度で急速に契約数を伸ばしたものの、業務フローが整わず、誤請求や未請求が多発。撤退に至った。問題なのは、その撤退方法だ。不誠実な対応に混乱が広がっている。 福島県楢葉町に本社を置く新電力、福島電力が電力小売りから撤退する。 楢葉町は、東京電力・福島第1原子力発電所から半径20キロ圏内の警戒区域の端に位置する。経営トップは、楢葉町の電気工事会社である福眞を2007年に創業した眞船秀幸氏。「電力を通じて福島を活性化」をスローガンに、2017年中頃に新電力事業をスタートした。沖縄を除く全国で電力を販売しており、2017年後半に急速に事業規模を拡大した。 2018年1月の供給量は家庭など低圧部門で1261万3000kWh、高圧で296万7000kWhの計1558万