世界の自動車産業で電動化が、いやいや電気自動車(EV)化が筆者の想像をはるかに超える勢いで加速し始めた。今後5年以内に雪崩を打つようにEVが世界で広がり、埋め尽くすかもしれない。引き金が、独Volkswagen(フォルクスワーゲン、VW)グループである。世界最大級の自動車メーカーである同社が2021年3月に発表した電動化ロードマップが、あまりにも衝撃的だ。世界中のメーカーが、戦略の見直しを余儀なくされるだろう。 VWグループは「Power Day」と呼ぶ電動化戦略の発表会において、30年までの驚異的なEV拡大策とともに、充電インフラを含めたEVの諸課題を克服する覚悟と決意を示した。米Tesla(テスラ)への強烈な対抗策でもある。これでEV化の雪崩が起きれば、元には戻らない。日本の自動車産業にとって、大きな脅威だ。今回は番外編の位置付けだが、「エンジン完全燃焼」と題したコラムでEVの話を書か
