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ブックマーク / honz.jp (10)

  • 『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ

    作者: 望月 昭秀,小久保拓也,山田 康弘,佐々木 由香,山科 哲,白鳥兄弟,松井 実,金子 昭彦,吉田 泰幸,菅 豊 出版社: 文学通信 発売日: 2023/4/28 今やあまりお目にかかれない書籍が出た。書は、2021年4月に出版された竹倉史人『土偶を読む』(晶文社)への反論である。それも、明確な事実と論拠に基づいて真っ向からメッタ斬りにする、恐ろしく肝の据わった一冊だ。 まず、当時の『土偶を読む』現象をおさらいしよう。同書は刊行直後からNHKを中心とする各メディアで注目を集め、SNSでも紹介記事や書評が大きくバズり、脚光を浴びた。人類学者が独自の見識から打ち立てた「土偶の正体は縄文人の用植物」説をイコノロジー(図像解釈学)で次々に解き明かしていくその内容は劇的かつ鮮やかで、養老孟司氏を始めとする著名人らの好評も後押しし、半年で六刷のベストセラーとなる。 極めつきは第43回サント

    『土偶を読むを読む』縄文研究の最前線を伝える、肝の据わったまたとない反論本 - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2023/06/20
    ちょうど昨日読み始めた。発売直後に買うだけは買ってたんだけど。
  • 『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ - HONZ

    「行旅死亡人」とは病気や行き倒れ、自殺等で亡くなった身元不明の死者を表す法律用語である。死亡人は身体的特徴や発見時の状況を官報に公告される。 映画やミステリー小説でも良く登場する”誰かわからない”遺体。その身元を新聞記者が突き止める過程を記したのが『ある行旅死亡人の物語』だ。 共同通信大阪社会部の遊軍記者、武田惇志は記事のネタ探しのため官報に掲載されている「行旅死亡人」のサイトを閲覧していた。そこで目に留まったのが亡くなったときの「所持金ランキング」。一位は尼崎市の自宅アパート玄関先で発見された七十代と思しき女性で、なんと現金で約3500万を持っており、さらに右手の指が全て欠けていたという。すでに火葬され遺骨は尼崎市が保管していた。 発見から一年以上経っていたが、続報は見つからない。市の保健福祉センターに問い合わせると、こんな答えが返ってきた。 「タナカチヅコさんの件ですね」 この人は生前

    『ある行旅死亡人の物語』あなたは誰?身元をたどる渾身のルポルタージュ - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2023/02/07
    なんかで読んだなーと自分も思った。ブコメであげられてるリンクかもしれない。せっかく本になったのなら読んでみるか。
  • 我らが ”サピエンス観” 崩壊!『ゲノムが語る人類全史』 - HONZ

    ここまでわかったのか。あらためてゲノム科学のインパクトを感じる一冊だ。 ゲノムとは、ある生物の全遺伝情報を指す。地球上の全生物の遺伝情報はDNAに蓄えられている。うんと簡略化して言うと、ゲノム情報とはACGTという四つの文字が延々と書き連ねられた書物のようなものである。そのサイズは生物によって異なるが、人間の場合は30億文字だ。 その配列を決定する方法は猛烈なスピードで進歩してきた。2000年に最初のヒトゲノムが報告された時、13年の年月と三千億円の費用がかかった。それが今や10万円以下、数時間もあればできてしまう。信じられない技術革新だ。従来の酵素を使う方法とは全く異なったナノポアシークエンシングが開発されているが、これに使われる機械の大きさを知ったら、誰もが目を疑うはずだ。なにしろスマホを少し大きくしたくらいなのである。 いうまでもなく、ゲノム解析の進歩は、医学に大きな進歩をもたらした

    我らが ”サピエンス観” 崩壊!『ゲノムが語る人類全史』 - HONZ
  • 『PC遠隔操作事件』警察、メディア、犯人、その誰もが踊らされた - HONZ

    事件ノンフィクションと呼ばれるジャンルの醍醐味が、存分に味わえる一冊だ。この事件の何に対して自分が釈然としない思いを抱いていたのか、その正体が嫌というほど見えてくる。その実像は、事件当時に見知っていた情報とは大きく異なる印象があった。 PC遠隔操作事件とは、2012年6月から9月にかけて14件もの殺害・爆破予告がなされた事件である。JAL便の爆破予告から、小学校の襲撃予告、はたまた有名子役や人気タレントグループ襲撃予告までとターゲットは幅広く、世間を震撼させた。 逮捕されたのは、IT関連会社社員で当時30歳の片山祐輔という一人の青年であった。書では、事件発生からの全過程を克明に記録し、事件の中からあぶり出された課題を、今あらためて検証しようと試みている。 書のスタンスが特徴的なのは、この事件当にこれほど騒がれるようなものであったのかという点から出発しているところだ。結局一連の殺害・

    『PC遠隔操作事件』警察、メディア、犯人、その誰もが踊らされた - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2017/06/27
    買って読もう
  • 『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ

    前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバタアニメは時に社会問題にからんで日でも話題に上ります。 でも今回の切り口は、風刺でもなければアニメ論でもありません。『ザ・シンプソンズ』、実は超難解「数学コメディー」だった!! というサイモン・シンならではのものです。この背景にはハーバード大などで数学の博士号を取得した「天才」たちが、研究職をなげうってまで『ザ・シンプソンズ』の脚家になったという、驚くべき事実があるのですが、なぜ、そんなことが起こってしまったのか、そもそもどんな理由

    『数学者たちの楽園 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち』著者サイモン・シン インタビュー 数十年来の陰謀を暴く - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2016/05/26
    あで、サイモン・シンの新作出るんか。すぐ買わねば。/"本を書くときはいつも、その本に登場する人たちに喜んでもらえたらと願っています。まあ、代替医療の本のときは、その限りではありませんでしたが。"ww
  • おもろすぎっ!!『本当にあった医学論文』 - HONZ

    学会の書籍売り場で愕然とした。私としたことが完全に見落としていた。HONZの医学担当(そんなのないけど)として失格である。こんなおもろいがあったんや。それも、昨年11月発売以来、3ヶ月で三刷りと、専門書にしては爆発的な売れ行きだ。 発刊から半年なので、HONZで紹介するには時間がたちすぎているしなぁ、と思ってふと横を見ると、『前作「当にあった医学論文」大好評につき、早くも「2」の刊行を呈した1例』と、医学関係の学会でよくある症例報告のタイトルみたいな帯をつけたが。ということで、二冊まとめて紹介いたします。 タイトルの通り、医学専門誌に掲載された論文が、79編+75編、二冊あわせて154編も紹介されている。いやまぁ、ほんまによくこれだけ集めたものである。どれも、おもろい。紹介されている論文は、おおきく二通りに分類される。ひとつは、なんでそんなことを調べたくなったんやという研究。もうひと

    おもろすぎっ!!『本当にあった医学論文』 - HONZ
  • 戦時の嘘 『戦争プロパガンダ10の法則』 - HONZ

    最近、戦争を身近に感じる出来事が続いている。書は、国家が“国民を戦争にかりたてるために”どんな嘘をついてきたかを、歴史上の事実を列挙してつまびらかにしただ。ベースにあるのは、1928年にロンドンで出版された名著『戦時の嘘』。この比較的薄い文庫は、私たち日人が今まさに見つめ直すべきテーマについて、考えを深める契機をたくさん与えてくれる。ぜひ、ともに過ごして欲しいだ。 想像すればわかるが、戦時の嘘が通用した時代と現代では、生活者を取り巻く環境は大きく違っている。もう同じ手はうまい。そんな思いもわかる。しかし、日ごろの自分を振り返ってみると、メディアの報道やネットの情報に踊らされることがよくあることに気づく。思い起こせば恥ずかしながら、昨今相次いでいる捏造事件について、私は当初最大限の賛辞を贈った。書巻末では、現代の「洗脳」技術について、ベルギーのある漫画の言葉を引用している。 現

    戦時の嘘 『戦争プロパガンダ10の法則』 - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2015/03/05
    「戦争を望んだのは彼らのほうだ。われわれは平和を愛する民である」
  • 『ヒトラーランド』簡略化されたプロットを剥いだ先に見える物とは? - HONZ

    後世の人間が歴史を見るとき忘れがちなことがある。それは自分たちが神の視点を持っているということだ。私たちが過去を眺めるとき、複数の点でしかない出来事が、やがて一の線となり繋がっていくさまを、俯瞰的に眺める事ができる。私たちは往々にしてそのことに気づかないものだ。だが、考えてみれば、今を生きる私たちが、いま起きている政治的決断や紛争がどのような帰結を迎えるのかを知ることが出来ないように、当時を生きた人々も、自分たちの決断や、リーダーの行動がどのような終焉を迎えるのかを知ることはできないのだ。 著者の言葉を借りれば、「ヒトラーは悪の権化といった、抽象的な存在ではなく、現実にいる政治家」だったのだ。書はヒトラーとナチスの台頭を当時の人々の視点で、それもドイツ人ではなく、在独アメリカ人の視点を私信、著作、記事などを丹念に読み込むことで紐解いていこうとする意欲作だ。 1920年代のベルリン。アメ

    『ヒトラーランド』簡略化されたプロットを剥いだ先に見える物とは? - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2015/02/18
    たしかに、当時の人間に先のことが分かったはずないよなあ。想像を絶してるもんなあ。
  • 『異常気象が変えた人類の歴史』新刊超速レビュー - HONZ

    歴史をどう捉えるか。専門家の間でも長年にわたって議論されてきた話だが、私を含め、門外漢からするとどうしても個人の行動を中心に読み解きがちだ。 だが、考えてみれば至極当然だが、我々の生活を形作ったのは、遠い昔の誰かであるケースは非常に少ない。長期の気候変動が文化や生き方を変えてきたのが人間の歴史である。短期的、局地的に見ても歴史の転換点となる戦争の趨勢に気候が与える影響は小さくない。書では気象気候の変化と社会の変化を結びつけて、先史時台から現代、未来予測まで40のテーマを解説する。話題も戦争政治だけでなく、文化からストラディバリウスまで幅広い。 例えば、紀元前218年にカルタゴのハンニバルが冬のピレネーやアルプスを越えてローマを襲撃する話がある。この話自体は、ローマへの復讐に燃えたハンニバルがイタリア半島を席巻した出来事として教科書にも載っている。軍事作戦としても有名で、過酷な冬のア

    『異常気象が変えた人類の歴史』新刊超速レビュー - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2014/10/10
    おもしろそう
  • 『白い死神』ー「ムーミン谷のゴルゴ13」の実像 - HONZ

    1939年に始まったソ連との冬戦争で活躍したフィンランド軍の狙撃手シモ・ヘイヘは、一部ネット上では有名だ。しかし、これまで日では、ヘイへその人をテーマとしたは、これまで一冊も出ていなかった。書は、1998年に60年間にわたって沈黙を続けてきたヘイへのインタビューを成功させた著者によるノンフィクションであり、一部マニアにとっては待望の書と言える。 ここでまず、ネット上にコピペで出回っているヘイへの逸話を見てみよう。 ・わずか32人のフィンランド兵なら大丈夫だろうと4000人のソ連軍を突撃させたら撃退された ・シモヘイヘがいるという林の中に足を踏み入れた1時間後に小隊が全滅した ・攻撃させたのにやけに静かだと探索してみたら赤軍兵の遺体が散らばっていた ・気をつけろと叫んだ兵士が、次の瞬間こめかみに命中して倒れていた ・スコープもない旧式モシンナガン小銃で攻撃、というか距離300m以内なら

    『白い死神』ー「ムーミン谷のゴルゴ13」の実像 - HONZ
    h-hirai
    h-hirai 2012/04/04
    ブックレビューというか、読む前に知っといた方がいいよ! ということでフィンランド冬戦争の概説。興味深い。
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