「選手の心の健康が無視されている」 こう綴って、全仏オープン開幕4日前に突如勃発した大坂なおみの記者会見拒否騒動の論点は、当初とは随分違う方向へ一気に進み始めた。 “大坂なおみでいるため”のストレスが重かったのか 1回戦の勝利後、宣言通り会見を行わず1万5000ドルの罰金処分を受けた大坂は、ツイッターで「怒りは理解の欠如。人は変化を嫌がるもの」と旧態依然のシステムを真っ向から批判したが、翌日になって長文の投稿とともに棄権を表明。「想像もせず、望んでもいない状況。みんながテニスにまた集中できるように、そして私の健康を考えて棄権します」とのことだった。その中で、2018年の全米オープン優勝以降、長い間うつ状態に悩まされていたことをも告白した。 今まさに進行形で心の問題を抱えているのであれば、なぜ会見が必要なのかとか、なぜこんな義務が課されているのかとか、そんな説得を必要とする問題ではない。「メ