1966年の逮捕以来、48年ぶりに故郷の浜松市に戻った袴田巌さん(中央)=2014年5月27日午後、JR浜松駅 1966年、静岡県清水市(現・静岡市)で一家4人が殺害された「袴田事件」。死刑が確定した袴田巌さん=釈放=の裁判のやり直し(再審)をめぐる司法判断は揺れており、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」が見つかったとする地裁の判断を覆した高裁決定は最高裁で取り消され、閉ざされたかに見えた再審の可否は、もう一度高裁で審理されている。発生から半世紀以上。86歳となった袴田さんの訴えは届くのか。異例の経過をたどった事件のポイントをおさらいする。(時事ドットコム編集部 正木憲和) 【特集】時事コム取材班 ◇「5点の衣類」 清水市のみそ製造会社の専務宅が放火され、一家4人が他殺体で見つかったのは1966年6月。従業員だった袴田さんは同8月に逮捕され、捜査段階で自白したものの、裁判では否認に転じた。
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