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ブックマーク / honz.jp (55)

  • 『ジェット戦闘機最強50』 - HONZ

    この一冊で、たとえばホーカー・ハリアーのGR.MR1からF/A.Mk2まで14タイプの違いを理解することができる。たとえば、TAV-8AハリアーはAV-8Aをベースにした複座訓練型だ。普通の人にはまったく存在そのものが不明なかもしれない。以上。

    『ジェット戦闘機最強50』 - HONZ
  • 『科学嫌いが日本を滅ぼす』 柔らかに訴える科学技術の重要性 - HONZ

    で長期低落傾向にあるものといえば物価、政治家の質など、政治経済に関するものがすぐに思いつくのだが、より長期的で深刻な悪影響があるのは国民の科学技術への関心度の低さであろう。書『科学嫌いが日を滅ぼす』の冒頭でも、30年ほど前には高校での物理学の履修率は7割を超えていたのだが、いまでは3割以下に落ち込んでいると著者は嘆いている。まさにそのとおりで、福島原発事故直後の言論人の科学に関する頓馬ぶりには、ただただ驚愕するばかりだった。原発が原爆のごとく核爆発すると思っていた自称専門家すらいたほどだ。 ところで、すべての生き物は神が創りたもうたもので、進化論など絶対に信じないという不思議な人々が多数いるアメリカですら「サイエンティフィック・アメリカン」という一般向け科学雑誌が50万部も売れている。しかし、日ではその20分の1しか読者はいない。 外国企業からみるならば、日から科学技術を奪いと

    『科学嫌いが日本を滅ぼす』 柔らかに訴える科学技術の重要性 - HONZ
  • 『素晴らしき数学世界』 - プラットフォームとしての数学 - HONZ

    2012年7月1日、じつに3年半ぶりに”うるう秒”が挿入された。朝8時59分59秒と9時00分00秒、この間に「8時59分60秒」という1秒が差し込まれたのである。 これは海流や季節風の影響で、世界の標準時として使われている原子時計の時間と、地球の自転に基づいて決められる天文時との間に生じるズレを調整するために行われているそうだ。 ズレると言っても、この53年間でわずか34秒程度の話である。これを修正したいと思うことこそ、世界をより正確に数字で表したいという人間の能の発露なのではないかと思う。 古来より人類は、世界を数字で表現しようとしてきた。書はそんな知的冒険家たちが、数を追い求める姿を綴ったものである。なかでもユニークなのは、登場人物たちの人選だ。 東京のそろばん教室の塾長、アリゾナの数秘術者、マサチューセッツの名刺折り紙アーティスト、つくば市の昆虫学者、プリーのヒンドゥー教の導師

    『素晴らしき数学世界』 - プラットフォームとしての数学 - HONZ
  • 『銀座の達人たち』 - HONZ

    最近、表参道から足が遠のいた。表参道ヒルズができたからである。内部のデザインは面白いのかもしれないが、通りに面したファサードがいただけない。完成後も仮店舗のままかと思ったほどである。のっぺりとした画一的な間口はまさに街の面汚しである。 表参道に行く理由の一つは髪をカットするためだった。最近、そのヘアーサロンが銀座に店を出した。表参道で複数の店を展開している有名店なのだが、銀座に目をつけたのだという。表参道から逃げ出したということではないらしいが、人の流れを見ての判断らしい。 その銀座でも一時は190メートルを超える高層商業ビル建設の計画があったらしい。幸いにして銀座通連合会の必死の努力で回避されたという。ありがたいことである。銀座は昼だけの街ではない。突如出現した高層ビルに見下ろされながら、なじみの酒場に入るなど想像するだけで萎えてくる。 『銀座の達人たち』は銀座文化を守りつづける老舗経営

    『銀座の達人たち』 - HONZ
  • 核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ

    期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に結びついていたのが、熱核兵器とプログラム内蔵型コンピュータである。かつて数学と物理が相互に進化を促しあったように、両者はがっちりと手を組み、怪物のようなものをこの世に生み落としたのだ。 背景にあったのは、第二次世界大戦における反ナチスおよび、その後の冷戦構造による人材の集結である。アインシュタイン、オッペンハイマー、ゲーデル、チューリング、ファインマン。これらの錚々たるメンバーが、人種や学問の壁を越え、プリンストンの高等研究所を中心とす

    核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ
  • 『参謀は名を秘す―歴史に隠れた名補佐役たち』 - HONZ

    真の参謀とは何か いま軍師や兵法を仕事に生かそうとするが溢れているが、実際の参謀はどうだったのか。書では参謀や軍師達は、戦闘や外交において当にどれだけの仕事をしたのかを色をつけずに検証している。このため自慢話中心のビジネス書を読むくらいなら、書を読む事をオススメする。 参謀の仕事はトップに対しての情報収集・分析・複数提案であり、トップはこれらを判断し決定する役割だと著者は述べている。だが参謀が力を発揮しすぎてフロントに表れてはいけない。このパターンは国が滅びる危険性を多く含む。書では駿河国の今川義元における太原雪斎をその例としてあげている。雪斎は戦術以外にも外交に優れ、また戦闘時も前線に出撃し、風貌は弁慶の如く派手であり大名さながらに指揮をした。義元は当主に推薦してくれたこの僧に対して恩があり、制する事ができなかった。家臣の間には「雪斎様は出過ぎである」と不平不満が募る。 また一

    『参謀は名を秘す―歴史に隠れた名補佐役たち』 - HONZ
  • 『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』 - HONZ

    修復家という職業がある。58億円で落札されたゴッホの「ひまわり」は、今も鮮明な色彩を放っており、モネの「睡蓮の池」も、完成当時の風合いを留めている。それは全て修復家のおかげなのだ。 これらゴッホやモネの絵は、著者の修復家である岩井希久子さんの仕事によるものだ。書では世界でも有数の腕を持つ岩井さんが、見事な医術により名画を再生し、真摯に仕事に向き合う姿を開示している。一方、ワーキングマザーとして働く彼女が、家族と仕事の間で揺れ動きながらも、常に前に進む姿に胸をうたれる。 岩井さんには娘が二人いる。「子供が産めるのは女性だけ」という思いと同時に、「絶対に仕事に穴をあけない」という信念から、人は妊娠中でも仕事を中断しようとしない。絵画は修復の方法を誤ると来の美しさを損ない、寿命を早めてしまうことになる。酷ければ名画を破いてしまう場合もある緊張感ある仕事だ。岩井さんは、過去に間違えて修復され

    『モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん』 - HONZ
  • 2013年上半期は絵画読み物が大当たり! - HONZ

    2013年の上半期は絵にまつわる読み物が充実していた。ちょっと目に入っただけでも4点あり、それぞれ1,900円、1,600円、2,000円、2,300円。4冊まとめて7,800円の買い物だった。それでも絵画好きにとっては良い選択だと思う。著者は4冊とも日人。この分野の人材が厚いことがよく分かる。 5月15日発売の最新刊『巨匠に学ぶ風景画』のサブタイトルは「名画の謎を解く20のメソッド」だ。その20のメソッドを構図、形、色の3章に分けて説明する。たとえば構図の章には中心型、囲む型、散開型など6つのメソッドを設定し、それぞれブリューゲル、セザンヌ、北斎、デュフィなどの多数の名画を取り上げながら説明するのだ。 中心型ではブリューゲルの「バベルの塔」が真っ先に目に入ってくるが、北斎の「赤富士」も中心崩し型として説明されていて、説明のための説明に陥っていない。囲む型では樹木で囲む、湖湾で囲む、門で

    2013年上半期は絵画読み物が大当たり! - HONZ
  • 美しき山下清 『マリー・アントワネットの宮廷画家』 石井美樹子 - HONZ

    ★★★★☆ フランス革命前後の貴族生活に興味がある人はもちろん、逆境にも負けない強い女性の人生に触れたい人にもオススメ 表紙の絵は書の主人公であるルイーズ・ヴィジェ・ルブランの自画像である。この絵を見ての通り、ルイーズはパステル画家の父ルイ・ヴィジェから絵の才能を受け継いだだけでなく、結髪師の母ジャンヌ・メサンから美貌も受け継いだ。マリーアントワネットの宮廷画家であったルイーズはフランス革命の混乱を逃れるため、12年ほど娘とヨーロッパを彷徨うことになる。書は行く先々で様々な困難にぶつかりながらも、持てる才能を活かして、「美しいもの」への情熱を絶やすことなく懸命に生き抜いた女性の人生に迫る一冊となっている。 ルイーズは1741年のパリに生まれたが、当時の子どもに対する見方、育て方は現代のそれとは大きく異なっている。子どもは貪欲で勝手気ままな欠陥を持った大人であり、子育ては召使いの仕事であ

    美しき山下清 『マリー・アントワネットの宮廷画家』 石井美樹子 - HONZ
  • 『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』 - 美術館は常設展示が狙い目! - HONZ

    自分にとって未知となる領域へ踏み出すためには、背中を押してくれる良いメッセージに巡りあえることが重要である。美術のことなど全く門外漢な僕にとっても、書の冒頭に書かれた「美術館は常設展を見よ!」という主張にはピンとくるものがあった。 多くの人にとって興味を惹かれるであろう期間限定の企画展に比べると、一見マイナーな存在にも思える常設展。この一風変わったスコープの絞り込みが、「今から始めても、まだ間に合うのではないか」という気持ちを呼び起こしてくれる。何といっても僕には「新刊ノンフィクションだけを読め、ビジネスは読むな」というメッセージによって、大きく道を踏み外した(?)実績があるのだ… 著者によると、一年中開催している常設展なら落ち着いた環境で何度でも作品を鑑賞できるし、体系だった知識を得ることができるのだという。書で取り上げられているのは、上野にある国立西洋美術館の常設展。14世紀から

    『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』 - 美術館は常設展示が狙い目! - HONZ
  • 『ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室』 21世紀の教養 - HONZ

    書の副題にもその名前が使われているように、著者であるプリンストン大学コンピュータサイエンス学科教授のブライアン・カーニハンは、ディジタル界隈では大変有名な先生だ。デニス・リッチーとの共著『プログラミング言語C』は、長い間多くのプログラマーに参照され続けているという。しかし書は、「カーニハンって誰?」と思った人のために書かれている。これは、非技術系であっても知っておくべき内容が簡潔にまとめられた、コンピュータ科学の入門書なのだ。 携帯電話1つで世界と繋がることのできる現代では、コンピュータなしの生活は想像すら難しい。それでは、私たちはコンピュータについてどれ程のことを知っているだろう。たしかに、その仕組みや科学的原理を知らなくても、コンピュータの恩恵にあずかることはできる。しかしそれでは、コンピュータはいつまでも魔法の箱のままであり、思わぬ副作用で痛い目を見るかもしれない。 文系であろう

    『ディジタル作法 カーニハン先生の「情報」教室』 21世紀の教養 - HONZ
  • 『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる - HONZ

    1845年元日の早朝、ロンドンに向かう列車の中に息を押し殺す男がいた。その男の名は、ジョン・タウェル。列車に飛び乗る直前、彼は愛人のセアラ・ハートを毒殺していた。今ごろ警察が殺人に気がついたとしても、大都会ロンドンの雑踏に身を潜めれば逃げ切れる、この殺人犯はそう考えていた。しかし、彼はあっけないほど簡単に捕まってしまう。ロンドンの警官たちが、駅でタウェルの到着を待ち構えていたからだ。 19世紀中ごろ、列車は人にとっても情報にとっても最速の移動手段であった。ではなぜ、ロンドンの警官はタウェルが殺人犯であることを彼の到着より早く知っていたのか。それは、この事件の前年に設置された電信線によって、殺害現場からロンドン警察へ犯人の特徴を伝える連絡が入っていたためだ。後から追いかけてきた情報が列車のタウェルを追い越し、彼は世界で初めて電信によって処刑された男となったのである。 情報の伝達速度がヒト(も

    『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる - HONZ
  • 『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える - HONZ

    著者の定義によると、アルゴリズムとは「問題を解決するために必要な手順を正確に規定したレシピ」である。コンピュータ・サイエンスを専門とする大学教授の手による書は、現在当たり前のように使われている偉大なコンピュータ・アルゴリズムがなぜ必要とされたのか、どのように考え出されたか、そして、それが実際にどのような仕組みで動いているのかを教えてくれる。 このように紹介すると、コンピュータやプログラミングが苦手な人は手が遠のいてしまうかもしれないが、どうかご安心を。書を楽しむのに、コンピュータプログラミングやコンピュータ科学の知識は必要ない。必要なのはじっくりと考えることだけだ。 一口にサイエンスといっても面白いポイントはそれぞれに異なるが、書の面白みは間違いなく、過去の偉人たちの難問への挑戦を疑似体験できるところにある。その面白みを満喫するためにも、頭から煙を出しながらじっくりと考えながら読む

    『世界でもっとも強力な9のアルゴリズム』で頭を鍛える - HONZ
  • 『Yコンビネーター』 - シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール - HONZ

    シリコンバレーにあるスタートアップ養成スクールの3ヶ月を、密着して追いかけたドキュメント。書の面白さを知るためには、「はじめに」の章で書かれているわずか10ページほどの説明を読むだけで十分だ。 このスタートアップ養成スクールを運営しているのは、ベンチャーファンド「Yコンビネーター(YC)」。その中心人物が、元起業家でプログラマーのポール・グレアムだ。 YCは数10社ものソフトウェア・スタートアップに同時に投資を行う。一方それぞれの会社は、少額の出資を受ける見返りに株式の7%をYCに与える。だが彼らが投資をする際には、一つの重要な条件が出されるという。 まずチームは、3ヶ月間にわたってシリコンバレーに引っ越して来なければならない。そしてプロダクトの開発を続けながら、グレアムをはじめとするパートナーたちの助言を受けることになる。また毎週ゲストを招いた夕会に出席し、最後にはデモ・デーと呼ばれ

    『Yコンビネーター』 - シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール - HONZ
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    「宿帳」である。旅館やホテルでの宿泊では記入が義務づけられているとはいえ、最近はネットで予約しがちなので、印刷されたものにサインする…more

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