政府は、外国勢力による諜報(ちょうほう)活動を取り締まる「スパイ防止関連法」について、今秋の臨時国会での提出を見送り、来年の通常国会以降に提出する調整に入った。政府関係者が20日、明らかにした。臨時国会での提出も模索したが、表現の自由など国民の権利を侵害する懸念が根強く指摘されていることから、今夏にも設置する有識者会議の議論などを踏まえ、慎重に法案のあり方を検討する。 高市早苗首相は、インテリジェンス(情報収集・分析)の機能強化を掲げ、今国会に司令塔機能を担う「国家情報会議」設置法案を提出。法案は23日にも衆院を通過する見通しだ。 政府・与党は、強化に向けた改革の「第2弾」として、外国勢力による影響工作の防止など「防諜」の機能強化を図る法案を検討している。自民党と日本維新の会の連立政権合意書は「速やかに法案を策定し成立させる」と明記。自民は、外国政府や団体の指示を受けて、情報活動を行う外国
記者会見に臨む(左から)相嶋静夫さんの次男と長男、高野隆弁護団長=東京都千代田区で2026年4月6日、西夏生撮影 警視庁による捏造捜査の末、がんを患いながら保釈を認められず、勾留中に亡くなった大川原化工機元顧問・相嶋静夫さん。その遺族が、保釈を却下し続けるなどした裁判官37人の法的責任を問う国家賠償請求訴訟に踏み切った。「人質司法」を追認し続けた司法の不作為を問う歴史的な裁判となる。(ジャーナリスト・粟野仁雄/サンデー毎日4月26日号掲載) 裁判官の判断は、どのようなものでも神聖不可侵なのか―。この問いに一石を投じ、裁判官の違法性を問う異例の国家賠償請求が提訴された。 4月6日、警視庁の捏造(ねつぞう)捜査で逮捕、長期勾留され、再三の保釈請求を裁判所に却下されて2021年2月7日に病死した大川原化工機(横浜市)の元顧問、相嶋静夫さん(享年72)の妻(77)と長男(52)、次男(49)が「父
高市早苗首相が2019年に大阪市内で開いた政治資金パーティーを巡り、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「世界平和連合」の地方組織が計4万円分のパーティー券を購入していたなどと週刊文春が報じた。佐藤啓官房副長官は29日の記者会見で「報道は承知しているが、個々の政治活動に関する個別の記事について、政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べた。首相の地元事務所も「特に申し上げることはない」としている。 文春記事は首相のパーティー券販売に関する「リスト」を入手したとしており、12年のパーティーでも教団の関連団体関係者3人が計6万円分を購入したとしている。旧統一教会との関係については自民党が22年9月に調査結果を公表しており、接点が確認された議員の中に首相の名前はなかった。同年8月にはX(ツイッター)で「選挙応援無し。行事出席無し。金銭のやり取り無し。祝電も当事務所が手配した記録は無
神奈川県警宮前署の刑事課は、階段を上った3階にある。 2022年秋、出頭要請を受けた20代の男性は刑事課の取調室に入った。格子のついた窓があり、机を挟み二つの椅子が置かれている。「刑事ドラマに出てくるような部屋だなと思いました」 最初に刑事からこう説明があった。 「占有離脱物横領容疑で調べています。サカイ引越センターの件です」 東証プライム上場の引っ越し大手であるサカイ(堺市)では、顧客406人分の個人情報の流出が明らかになっていた。 これを明るみに出したのが社員らの行動だった。サカイの社員だった男性もそれに関わったうちの一人。あれは公益通報であり、やましいことをしたつもりは一切ない――。 ところが刑事の説明によれば、男性の行動の一部に違法の疑いがあるという。正義のためにやったつもりだが、いつの間にか警察の捜査対象となり、「容疑者」の立場に置かれていた。 刑事は穏やかな表情ながら、細かいと
愛知県内の私立高校で生徒が女子更衣室内を盗撮し、動画が生徒間のLINEグループで共有されていたことが学校への取材で判明した。動画は既に削除され、拡散は確認されていないという。 学校によると、11月26日に女子生徒が盗撮被害の可能性を教員に相談。学校が調査したところ、別の女子生徒が秋口ごろに女子更衣室内に学習用タブレット端末を設置し、着替えの様子を複数回隠し撮りしていたとみられることが判明した。 盗撮したとされる女子生徒は「男子生徒から執拗(しつよう)に頼まれた」と話しており、動画は男子生徒3人のLINEグループ内で共有されていたという。ただ、画像やLINEグループは調査前に削除されたとみられる。 学校は、盗撮されたとみられる女子生徒3人と保護者に事情を説明したほか、盗撮被害の可能性がある生徒や保護者にも文書などを通じて説明。一部の保護者は警察に相談しているという。学校は関与した生徒は自宅待
数字の根拠を尋ねると舌打ちされ、仕事上で意見が対立すると、周囲に聞こえよがしに「顔も見たくない」――。暴力でも罵声でもないが、感情をぶつけることで相手を追い詰める行為は、近年「不機嫌ハラスメント」と指摘されている。 栃木県内の自治体で働く30代の男性職員は部下の女性によるこうした行為により心身の不調をきたし、休職に追い込まれた。男性は今春、慰謝料を求めて提訴し、女性が3万円を支払うことで和解が成立。男性は「相手が部下でもやられたら傷つくし怒りもわく。こうした訴えができることが抑止力になれば」と話す。 昨年春、男性は新しい部署への異動を告げられた。職場は上司と女性の3人で、男性は女性の隣席となった。
伊東市議選の候補者の応援演説に駆けつけた田久保真紀市長=静岡県伊東市湯川の伊東駅前で2025年10月12日午前11時8分、若井耕司撮影 学歴詐称疑惑を追及された静岡県伊東市長が不信任決議を受け市議会を解散したことに伴う市議選(定数20)が12日告示され、前職18人、新人12人の計30人が立候補を届け出た。田久保真紀市長は自身を支持する候補者が7人当選すれば失職を回避できるが、候補者26人が新しい市議会で不信任決議案に賛成する意向を示しており、失職が不可避となっている。投開票は19日。31日に臨時議会が予定されている。 毎日新聞など伊東市を取材する報道機関が協力し、市選挙管理委員会の事前審査を受けた候補者30人にアンケートを実施したところ、不信任決議案に賛成する意向の候補者は26人、反対は1人だった。1人は未定とし、2人は未回答だった。
新年一般参賀に臨まれた三笠宮妃百合子さまと寛仁親王妃信子さま、三笠宮家の彬子さま=皇居・宮殿で2019年1月2日、小川昌宏撮影 三笠宮妃百合子さまの死去(2024年11月)に関連する皇室経済会議(議長・石破茂首相)が30日、宮内庁で開かれ、孫の彬子さまを独立生計を営む皇族と認定した。これにより彬子さまが「三笠宮家」の新たな当主となられた。また、百合子さまの長男寛仁親王の妻で彬子さまの母、信子さまも独立生計を営むと認定された。三笠宮家を離れて新たな宮家「三笠宮寛仁親王妃家」を創設。三笠宮家は事実上、分裂した。 三笠宮家は昭和天皇の末弟の崇仁親王が1935年、成人を機に創設した。寛仁親王ら3人の息子全員に先立たれ、2016年の死去後は百合子さまが当主だった。今回、一世代飛ばして信子さまの長女彬子さまが継いだ理由や、信子さまが三笠宮家を離れた理由を、宮内庁は「宮家の中で話し合われた結果」「内輪の
パワハラのない職場づくりの必要性を力説する津野香奈美教授=山口市で2024年11月19日午後1時59分、福原英信撮影 官民を問わずさまざまな組織で、パワハラ行為は絶えることがありません。パワハラ加害者になりやすい人の特性や、そのような人を組織としてどう処遇すればよいのか。パワハラ問題を10年以上にわたって科学的に調査、研究してきた神奈川県立保健福祉大大学院の津野香奈美教授に聞きました。【聞き手・西尾英之】 パワハラには三つの要素 ――そもそも「パワハラ」とはどんな行為でしょう。 ◆2020年6月の改正労働施策総合推進法の施行で、パワーハラスメントは「職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題」と表現され、初めて法律上の定義が定められました。 具体的には「職場で行われる①優越的な関係を背景とした言動で②業務上必要かつ相当な範囲を超えており③労働者の就業環境を悪化させるもの」という
立花孝志氏が名誉毀損訴訟で請求放棄したことを受け、記者会見する小西洋之参院議員(左)と代理人弁護士=東京都千代田区で2025年4月17日午後3時5分 政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が、立憲民主党の小西洋之参院議員を相手に起こした名誉毀損(きそん)訴訟の請求を放棄した。16日付。訴訟は終結し、小西議員側は17日、「スラップ訴訟(どう喝訴訟)だ。裁判をするなら最後まで堂々とやるべきだ」と立花氏の対応を批判した。 立花氏は兵庫県議会調査特別委員会(百条委)委員長だった奥谷謙一県議に起こした同種訴訟でも、15日に請求を放棄したばかり。 小西議員は2024年12月、X(ツイッター)で、24年11月に投開票された兵庫県知事選に絡み「虚偽の誹謗(ひぼう)中傷などを拡散し後にそれを認めた立花氏」などと投稿した。
死は我々にとってどういうものなのか。独協医科大学埼玉医療センターこころの診療科教授の井原裕さんに聞きました。【聞き手・須藤孝】 ◇ ◇ ◇ 死ぬ時は一人 ――死は怖いものですか? ◆年を重ねると、自分が死ぬことが実感としてわかってきます。親が死に、恩師が死に、友だちも死に、となれば次は自分ということはわかります。一方で若い人には、自分が死ぬことへの自覚がありません。 80歳を過ぎるころになれば、死はひとごとではなくなります。死に近づいている年齢の人は、若い人が思うほどには、死を怖がっていません。 80年も生きていれば、生きることの過酷さを実感しています。そろそろ終わってほしいと思っても不思議はありません。 身近でなくなった ――死は遠いものになっています。 ◆医学の進歩と核家族化のせいで、死は身近なものではなくなりました。多くの人は、祖父母の…
村上春樹さん訳による米作家、ティム・オブライエン氏の長編小説「虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ」(ハーパーコリンズ・ジャパン)が2月末、出版された。トランプ現象が席巻する米国に対する痛烈な批判をこめた架空の物語だ。コミカルだが、SNS(ネット交流サービス)などで「虚言」がまかり通る悲惨な社会の描写は、現実と重なって見える。原著刊行から1年半足らずでの邦訳の出版は、トランプ大統領の政権復帰直後ともなった。翻訳に取り組んだ思いから、米社会や世界の現状への見方まで、村上さんに聞いた。【構成・棚部秀行、大井浩一】 <主な内容> ・アナログとデジタル組み合わせの怖さ ・みんなウソをつかれたがっている… ・壁を築き、地域戦が頻発する時代 後編 「浅いウソは必ず劣化」 単独インタで語った社会の分断 虚言に動かされる社会「悲劇的笑劇」 ――原著は2023年10月の刊行です。日本語訳で600ページを超え
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