僕はアニメーション制作という“絵空事”の世界で生きてきたから、実業の世界には詳しくない。とはいえ、だからこそ見える日本の問題点があるとも思っている。 日本人に圧倒的に足りないのは、物事の判断能力だ。特に福田康夫首相が辞任したあたりから、政権交代した現在まで、指導者である首相たちのビジョンが見えてこないと感じる。 彼らからは国家論どころか、人物としての覇気が見えない。鳩山由紀夫氏や菅直人氏の表情をテレビを越しに見て、首相になったとたんに生気を失い、うつろな表情になっていくのには参るし、代表選レベルの各論になると、空論を声を大にして喋れるというのはどういうわけか。「貴兄たちには国家指導の理念がない」と断ぜざるを得ない。 現代の人間が過去の人々を指弾するのはルール違反だと承知しているが、第二次世界大戦の開戦に溯ると、当時は「皇軍は絶対に負けない」などと、精神論だけでものをいうような指導者がはびこ