小学校のクラスを目の色で分けて、一方をエコ贔屓 筆者は大学の講義の冒頭で、2001年の9・11同時多発テロ事件のスライド映像を使う。事件当時のG・W・ブッシュ米大統領が対テロ「戦争」を宣言したのはまだ記憶に新しいが、社会心理学では人の集団を、個々人の性質をただ足しただけではない独特の性質を持つものと捉えており、戦争とはその集団同士の究極の葛藤であるからだ。 ただ、今後はこの映像を別の事件のものと取り換えねばならぬようだ。 15年11月13日、仏パリとその近郊において、銃撃と自爆による無差別テロが発生、100人以上が死亡した。シリア領内での国家樹立を宣言したテロ集団、イスラム国(IS)が首謀者とされる。 西欧で国民国家体制が確立された18世紀以降、戦争は国家と国家の間で争われるものと考えられてきた。しかし、現代は必ずしもそうではない。テロ集団は特定の組織に属するメンバーだけとは限らず、外部と