ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (34)

  • 深町秋生の序二段日記

    安藤氏の著作を読むたびに激しい嫉妬に駆られる。消された真実に肉迫する狂熱の騎士の物語というべきか。 盲目的な偏見や卑しい捏造の嵐を突破し、偽者の禁忌に勝手にひれ伏す臆病者や愚か者をなぎ払う。 強大な敵に打ちのめされ、傷つきながらもその果てに辿りつく真実はどれも衝撃的で美しい。胸が熱くなる。そしてやはり嫉妬に駆られる。 安藤健二氏の新作「封印されたミッキーマウス」の帯にコメントを書かせていただいた。おそるべきデビュー作「封印作品の謎」以来、ずっとファンだったので願ったりかなったりである。 ずいぶんと大仰な文句だと自分でも思うのだが、それでも間違っているとは思わない。つまらない噂や偏見、ヒステリックに騒ぐ愚か者によって、いとも簡単に表現作品がこの世から消されてしまうという恐ろしい真実に迫る安藤氏のは「下手なミステリよりも刺激的で昂奮させられる」とミステリ評論家などの間でも人気を博しているのだ

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2008/05/15
    安藤健二「封印されたミッキーマウス」:前2作は相性が合わなかったのかぴんと来なかったけれど、今作(特にタイタニック号の話)は面白そう!
  • 深町秋生の序二段日記

    私が尊敬するデザイナーでありライターのサタニスト高橋ヨシキさんが代表を務める切株派のムック「ショック! 残酷! 切株映画の世界」が洋泉社から発売されている。 切株映画とは、人体が切断された断面。つまり切株を見せてくれる残酷スプラッター映画を愛でる、紹介する会である。新宿ロフトプラスワンでもときおりイベントが開催されている。 http://blog.yomiuri.co.jp/popstyle/2008/02/post-1f9d.html(読売新聞でも紹介されている。保守系新聞とは思えないコアネタが飛び出したりするので文化面は侮れない) 今回のムックではそうした人体破壊や残虐描写のある映画の紹介、歴史、分析がなされている。俗悪で退廃的で頭がいかれていると社会から常にバッシングを受け続けるなかで洋邦香港の職人らが見せる破壊の魅力が存分に書にはつまっている。 私はヨシキさんのテキストが大好き

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2008/03/04
    人体切断の残虐映画:スタートレックのテーマは何にでも合ってしまうのはなぜだろう:
  • 深町秋生の序二段日記

    速水健朗さんの「自分探しが止まらない」を読んだ。 読み終えたあとに感じたのは恐怖だった。この感覚は斎藤貴男の傑作ルポ「カルト資主義」でも感じたが、現代日に覆う得体の知れないものの正体に肉迫しているように思える。凡庸な表現になるが、これこそが警鐘を鳴らしてくれる「社会の木鐸」というやつなのだろう。 ただ違和感を覚えたのは帯だ。バックパック背負った若者とゴス娘のヘタウマイラストがあって、「こんな若者にはもううんざり」と挑発的な文句が並んでいる。これはベストセラー新書の「他人を見下す若者たち」とかにならったものなのかは知らないが(こっちの著者名も速水だ)、の内容と乖離した帯は、宣伝になるどころか上滑りするだけではないかと思う。あれは「こんな若者につけこむ輩にはもううんざり」とすべきだったのだ。でもこれじゃあまり宣伝にはならないのか。 http://d.hatena.ne.jp/S2D2/2

    hachi_gzk
    hachi_gzk 2008/02/21
    『自分探しがとまらない』:低賃金労働者を作るためのシステム
  • 深町秋生の序二段日記

    おれたちゃ裸がユニホーム。クソをひりだし、ビール瓶で自分の頭をガーン。 というライブで知られるUSハードコアの巨星GGアリンさん(薬のやりすぎで道端で死んだ)を撮ったドキュメンタリー「HATED」が、「全身ハードコア」というタイトル(原一男のドキュメンタリーを想わせるいい邦題)で公開されるらしい。ロックンロールバンド、クランプスの精神病院ライブとの併映だ。ちなみに来年の冬ぐらいの話なので、まだ先なのだけれど。 予告。 どうせお正月映画なんてろくなものはない。たぶん渋谷のシアターNで公開になるだろうから、そこまで出張って、お屠蘇気分もぶっ飛ぶこの作品を見てほしいものである。 とはいえクランプスのこのライブについては見ていないのでなんともいえないが、病院の患者さんと愉しくギグしている様子がなんともいえない。予告だけでも充分にカオティックな雰囲気が感じ取れる。 しかし、このマッパで登場するGG御

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2007/10/05
    「全身ハードコア」:これは、面白そうですね。
  • 深町秋生の序二段日記

    ぼんやりとテレビを見ていたら、今私がもっとも敵視しているパチンコ店ベガスベガス(うちの近所の街道沿いにでっかくオープンして道が大渋滞。すぐそばで半年前にでかいショッピングセンターもオープンしたのに、行政に金がなくて信号もない始末。おかげでしょっちゅう事故が起きている。そのうち子どもの車茹でなどが発生するに違いない)がいつものように派手派手しく宣伝していた。 山形の鉄砲町店で1円パチンコをやるらしい。 私はパチンコそのものについてはほとんど何も知らなかったのだが、パチファンの間では当たり前のように知られた言葉らしい。普通のパチンコ店は1玉=4円なのだが、それが1円の低価格で愉しめるらしいのである。 http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/business/113/1181658077/(こうした掲示板を読んでもらったほうが早い。1円パチンコってどうよスレ)

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2007/08/04
    激安の町並み:
  • 深町秋生の序二段日記

    週末になると、山形駅あたりのホテルに閉じこもって仕事をしている。 駅前となると繁華街のように思えるが、昼間はかなり静かである。息抜きに散歩をすると、それがよくわかる。土曜の夕方なんて、一番人が街へ繰り出す時間だろうにひっそりとしている。ちりんちりんなんて風鈴の音が風流に響くほど静か。 これは散々言い尽くされたドーナッツ化現象というやつで、同時刻の郊外ショッピングセンターは車の熱気でかげろうができ、周囲の道路は大渋滞を起こし、何人もの警備員が汗だくになって誘導灯を振り回し、子どもはじたばたと泣き叫び、おばあちゃんはへとへとになってベンチに腰掛け……と大賑わいである。 それに反して駅前は商業地としての地位をすっかり奪われ、住宅地に生まれ変わろうとしている。地方の駅前というのはだいたいみんなそんな過渡期に入っているようだが。そんな傾向に合わせるかのように駅前から看板がなくなりつつあることに気づい

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2007/07/28
    幾つもの建物と、鉄骨と、青い空:奇麗だなー。
  • ウツソウと茂った森で - 深町秋生の序二段日記

    「あたしうつ病で働けなくて元気がでなくて死にたい」 といったような日記はそれこそ腐るほどあるし、文学者やライターの文章にも多い。 時にうんざりさせられるのが「お前のうつ病なんてニセモノ。おれのが物でリアルだぜ、メーン! ビッチ!」などとハードコアラッパーのように相手をディスってまで、自分の病みぶりを強調する人までいたりすることだ。日人の最低な精神性の一つとして、自分がどんだけハードコアに弱いかというのを自慢するというのがある。「弱い」と主張したほうが勝ちみたいな。たまに悩みなんかを相談すると、「そんなの大したことないじゃない! あたしなんか……」と負けじと負けっぷりを披露する人がいて、頭痛を覚えたりする。 で、うつ病関連の話というのはそれこそ石を投げれば当たるくらいに豊富だが、その逆の躁病についてはとんと語られていないような気がする。単に「病的なほどエネルギッシュ、浪費家、飽きっぽい、

    ウツソウと茂った森で - 深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2007/06/15
    躁の有る丘:中島らもの狂気
  • 深町秋生の序二段日記

    *注意。坂教授とロハスが好きな人は読まないほうがいいです。 http://www.1101.com/kyoju/03.html(ほぼ日刊イトイ新聞で炎上した坂龍一のジャージだめだし) で、話題になったこれ。私は大いにむかついた。人の格好が軍パンだろうがマッパだろうがジャージだろうが知ったことではないだろう。偉そうに。この野郎。「ちゃんとしようぜ(ぼくみたいに)」みたいな傲慢さを感じて不愉快だった。 http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20061127#p1(麻草さんの名エントリ) などもあって、最後まできちんと読んで、これを漫才と解釈してもやっぱりダメであった。オチもあって漫才調だとしても面白くもなんともない。たぶん坂教授の最近の活動ぶりがとても気にわないからであろう。というわけで茶化してみようと思う。 秋生 あのね、僕はね、ちょっとブログに関係

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/11/30
    改変対談
  • 深町秋生の序二段日記

    もう今日は直球。「狂い咲きサンダーロード」しか語らないかんな。 先日、自分への誕生日プレゼントととして2万4990円のDVD−BOX「石井聰亙作品集DVD-BOX 1 ~PUNK YEARS 1976-1983~」を購入。これで「狂い咲きサンダーロード」を見たが、もう大泣きしてしまった。 「狂い咲きサンダーロード」といえば名台詞と名シーンと名音楽で占められた日映画史上最高のパンク映画なのだが、唯一の欠点は微妙に音声が聞き取りずらかったところであり、最初の「暴走族たちの集会」などはキャラの声がこもりまくっていて、何度も見なければ何を言ってるのかさっぱりわからなかったものだ。それと全員が妙に鼻のつまったような声のおかげで全体的にセリフが聞き取りにくかった。(そのくせ「百姓、田んぼの真ん中で耕運機でも乗ってろ!」とか「でもよぉ、仁さん童貞って噂だぜ」という悶絶ものの名台詞が飛び出すのだからかな

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/11/27
    『狂い咲きサンダーロード』
  • 深町秋生の序二段日記

    「あの頃のこの国は美しかった。希望があった」 などと妙にうっとりする年配の方々を見ると「その美しい思い出と一緒にさっさとくたばれよ」と生きながら焼却炉に放り投げたくなるのだが、でもまあその気持ちもわからなくもない。美しい時代は確かにあったと思う。それは1950年代などではなく、80年代から90年代初め。もうバブル全盛。この頃の日がぼくにとっては美しい国であった。間違いなくマブかった。 その頃の日の激マブ度については、むしろ日人よりもアメリカ人のほうがよく知っているような気がする。世界の三船と島田陽子が出演していたアメリカのTVドラマ「ショーグン」(戦国時代にイギリス人航海士が日にたどり着き、日の武将に気に入られて乱世を生き抜くという、ラストサムライの元祖みたいなドラマ)が80年に爆発的な人気を博し、そこからアメリカで日ブームに火がつくのだが、それはアメリカ人の憧れと恐怖と憎悪を

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/11/25
    バブル期のニッポン
  • 深町秋生の序二段日記

    おれの町からマックが消えた! ジャクソンケージ! ジャクソンケージ! とスプリングスティーンみたいに叫びたいよ!! おれの町からマックがマジで消えやがったんだ! 今までマックが入ってたショッピングセンターが移転したら、今度の新店舗にねえええええEEEEEEEE!! ざけんな! ざけんな! これは深刻な問題だ! いじめ! ミサイル! 飲酒運転! なんのそのだ! だってマックのメニューはみんな物じゃねえんだもの! あれは物じゃねえ! ドラッグだよ! 認めますよ。はいはい、ギブギブ。おれはそのドラッグにいかれたジャンキーでございますよ! やつらの奴隷だよ! わあああああ! 一番近い店舗でも隣の隣の市! ちきしょー、30キロも離れてやがる! わああああ! ちきしょう! ちきしょう! ああ、なんだかマックがキレてきた感じがする……マックをすぐに補給できないなんて……うう、イライラする……ちきしょ

    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/11/18
    マック撤退:最近はドライブスルーを用いて深夜まで開けている店も有るので、余計クスリ化していると思う。
  • 深町秋生の序二段日記

    前回のエントリがずいぶんと盛り上がった。 今回はそれの続きみたいな話。コメント欄でご意見を頂いたりもしたので、それの返答でもある。 http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/comment?date=20061024#c(前回のコメント欄) で、なんだかんだ言ってもあの記事は事実であり、やはりいじめっ子は罰せられるべきではないかというご意見があった。確かにそうかもしれません。しかしまずそもそもあの記事が信用できるのかというところから始めたい。 まず信用できるのかというと、信用はできます。しかしそれがどれくらいかというと「事件に関心を向けさせる」ほどのものであり、「なんてやつらだ、やつらには罰を!」というほどのものでは全然ありません。なぜならそれはしょせん又聞きでしかないからです。 コメントのご意見では「複数の証言と目撃談が上がってますからソースとしては信用してもいいと

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/10/29
    「またここから意地悪な言い方をしますが、誰かを吊るしたいとか罰を与えたいなどと、人間の尊厳を奪い取りたいと思いたかったら、ちっとは汗をかけよという話になります。」:なるほど。
  • 深町秋生の序二段日記

    娯楽小説なんか書いてると「何を敵にしようか」と日々考えてしまう。 こそっと宣伝させてもらうが、11月4日にヒステリック・サバイバーという新作を出すのだが、この場合の敵は子供を狙った犯罪とか悪い教師とか悪い若者に脅える地域社会そのものにさせてもらった。 思えば、今は結構「敵」をつくるのが難しい時代だ。ホットな悪役でわかりやすい敵はそりゃ北朝鮮だが、それもイージス艦を乗っ取ったり、福岡を急襲したり、偽ドル作ったりと、かなり消費された感がある。(いろんなことをする悪の総合デパートだ。今なら核爆弾もセール中)なにせ日々、マスコミがあっという間に「敵」を作っては、焼畑農業のように一ヶ月くらいで消費しつくしてしまうので、せこせこ文章を書いている間に、誰も興味を持たなくなってしまいそうな気がしてこわい。タリウムも平塚の殺人も、もう忘却の彼方だ。 大好きなアメリカ映画も最近までは、ずっと敵を作るのに困って

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/10/25
    敵の作られ方
  • 深町秋生の序二段日記

    今のガキはなってない! 学校はなってない! 教師もなってない! 改革! 改革! という声がずいぶんとかまびすしいのだが、そういう意見をガミガミと述べるおばはんおじさん達は、そんなに立派で清く正しい若者ライフを過ごしたのかねえと強い違和感を日々感じる。別に若者擁護をするわけではなく、みんながみんなPTA面して「よくならなきゃ(私みたいに)!」とインスタントな使命感を帯びて絶叫する姿がはなはだ醜悪に見えるので少しコケにしてみようと思ったのだ。 たとえば昭和30年代や40年代にはこれだけ粗暴な若者が登場している。 昭和32年アメリカのライシャワー大使の太ももを刃物で突き刺す。犯人は19歳の無職。いわゆる引きこもり。 昭和35年、日比谷公会堂の演説会で社会党党首を聴衆の面前で刺殺。犯人は17歳の少年。 同年、衆議院議員面会所で社会党顧問を暗殺未遂。犯人は20歳の工員。 昭和45年にヨド号ハイジャッ

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/10/20
    若者について
  • 深町秋生の序二段日記

    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/10/11
    深作欣二監督映画
  • 深町秋生の序二段日記

    http://d.hatena.ne.jp/screammachine/20060914(麻草さんのブログより) 何がとにかく苛々するかといえば、もう長い間邦楽で切れ味鋭いプロテストソングを耳にしていないところ。上記のようにとにかく苛々させてくれる馬鹿議員だのが好き勝手にくっちゃべってくれてるというのに。ああ苛々するぜ。私の捜し方が甘いせいか、気を吐いているのはマキシマム・ザ・ホルモン、殺害塩化ビニールのパンク、ライムスターといったごく一部のヒップホップぐらいに思える。 くそ、何がそんなに「愛」だの、「届けこの想い」だの「億千の星〜」だ。バーカ。とりあえず乃風死ね。 というわけでないなら自給自足しかないなと反抗ソングの詞をつくってみた。あきを。ヒップホップ風。 お前ら振ってるダッセエポン刀 おれから言わせりゃ抱腹絶倒 徴農ほざくやつらは街娼 議員やるよりおれのを吸引 ケツも蹴られてみんな入

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/09/20
    歌詞
  • 深町秋生の序二段日記

    政治の世界でもワンフレーズが流行したが、もともと私もワンフレーズには弱い。 最近はとくに困り者。はあちゅうさんの「人間力が落ちてる!」だとか、ぼんやりテレビを見ていると某宗教の広告塔デフ・テックが「観念よりも実践が大事」とか堂々と歌っては私を悶絶させる。 もともと私はこうしたフレーズ、名調子、名ゼリフの類には弱い。プロレス界なんかはその宝庫なのだが、とくに気に入ってるのはこんな感じ。 たとえば日ハードボイルド界の巨匠北方謙三先生の「小僧、ソープへ行け」「女を抱け」という、プレイボーイ誌上における相談コーナーの返答とか。(実際はそんなに言ってないが、あまりに名ゼリフなもんだから大注目されてしまった) 同じく「パワー空手」誌で相談コーナーを受け持っていた故・大山倍達館長の「きみい、極真空手を習いなさい!」も忘れがたい。どんな悩みも極真空手で解決できる! という力強い父性みなぎる素晴らしいフレ

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/09/19
    ワンフレーズ
  • 深町秋生の序二段日記

    先日の続き。虐待が相変わらずヤバい。アツい。ということで今度は日における虐待がテーマの小説を紹介。 もっとも日において有名な作品といえば、天童荒太氏による「永遠の仔」だろう。子供の頃に虐待を受けた主人公らが大人になり、過去の虐待が現在の事件と関連していたという、先日のカルカテラの「スリーパーズ」やレヘインの「ミスティックリバー」を想わせる重厚なストーリー展開を見せる大作である。 後年、ドラマにもなり、虐待する父親として古尾谷雅人が実に暗い不気味な演技を披露したものだが、その後自殺してしまい、そのたびに古尾谷といえば、若い頃の八ツ墓村の「いまにみておれでございますよ!」という狂気の殺人鬼と、変態的な雰囲気を思い切り漂わせて虐待に走る今作品の演技を思い出してしまう。明るい二枚目役も多かったのに。 こちらもまた有名な作品。73年の大阪で起きた質屋での殺人事件からスタートし、その質屋と関係者の

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/08/28
    ミステリー:幼児虐待の描写あり
  • 深町秋生の序二段日記

    今、虐待がアツい! ヤバい! と個人的に思うわけです。ほら、人間とか子とか(あれは虐待じゃないか)いろいろイジメたりメシをやらなかったり、熱湯かけたり、殺したりとバリエーションに富んでるわけなんですが、近年の小説でも当にたくさんあるので、いい機会なので紹介しよう。虐待がテーマとなってるやつ。 そもそも日でも今ではすっかりおなじみの幼児虐待だが、やはり最初に問題視されるようになったのはアメリカでありました。で、幼児虐待といえばネオハードボイルドの第一人者であるアンドリュー・ヴァクスを外すわけにはいきません。というかヴァクスといえば幼児虐待。幼児虐待といえばヴァクスと言われるくらいに、ずっとこの虐待という問題を取り上げ続けたお人であります。この人の作品にはニューヨークの探偵バークシリーズという傑作がありますが、「バークが捜査を続けるとそこには幼児虐待という現代が抱える暗い闇があった……」

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/08/25
    ミステリー:幼児虐待の描写あり
  • 深町秋生の序二段日記

    前回はダークサイド・オブ・ロック2にびっくり仰天して、ショッキングなジャケとともにヘイトソングを紹介したが、今日は逆にプロテストソング(反体制的な主張の歌)を紹介してバランスを取ろうと思う。 プロテストソングはロックにおいて王道であり、それこそ洋邦問わずに山ほどあるのだが、今回は朝とか韓といった国と絡む歌手を紹介しようと思う。 それこそプロテストソングなんてのは「大人が会社が白人野郎がブッシュが政治家が背広野郎がレコード会社が女王陛下が資主義がだめ憎い嫌い倒せ壊せ」といった曲が星の数ほどあるわけで、そんじょそこいらの青臭いメッセージには眉一つ動かさないのですが、やはりこの人のメッセージには昔強いショックを受けたものだった。 都内在住の在日2世歌手、川西杏氏である。今はすっかり仲たがいしてしまったようだが、その強烈なメッセージとパフォーマンスで十年以上前に根敬氏や幻の名盤解放同盟といった

    深町秋生の序二段日記
    hachi_gzk
    hachi_gzk 2006/07/26
    ロックロールの暗い道、プロテスタント