移り変わりの激しい音楽業界で長年トップの地位を維持し続けることは,はたから見ていても大変そうである。しかも,ある一つの音楽ジャンルでその地位を保ち続けるならまだしも,さまざまなジャンルを横断してヒット連発などという例は,これまで皆無であろう。しかし,ここで紹介する「かに星雲」は,まさに,そんな宇宙のヒットメーカーなのである。 かに星雲のデビューは西暦1054年で,今から約950年前である。数十億歳という先輩がゴロゴロしているこの業界では,まさにデビューしたての新人といえるだろう。かに星雲のデビュー曲は「超新星爆発」。これは重い星が進化の果てに起こす爆発のことであり,平凡な星がこの業界で一発当てようと思えば必ず選曲する定番中の定番(?)である。これが,いきなり世界各地で大ヒットした。その様子は,中国の歴史書,アメリカ先住民の壁画,そして,我が国では『新古今和歌集』の撰者として知られる藤原定家
「1999 JU3」の名称案に、たくさんのご応募をありがとうございました。皆様のおかげで、はやぶさ2が目指す小惑星にふさわしい名称が決まりましたことを、プロジェクトメンバーも喜んでおります。小惑星の名称にさまざまな制約があるなかで、多くの提案をいただきましたことに、心から感謝いたします。 さて、「Ryugu」をご提案くださった皆様へは、プロジェクトからお礼の手紙をお送りする予定です。ただ、このたび、予想外の短期間で名称が決定したために、手紙の準備が整っておりません。準備が整い次第、お送りいたしますので、今しばらくお待ちください。 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)は、2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げた「はやぶさ2」が目指す小惑星「1999 JU3」の名称(名前)案を募集します。 「はやぶさ2」が、2018年6~7月に到着する予定の小惑星「1999 JU3」。あなたも
観測ロケット実験の革新と利用の活性化 宇宙科学研究所では、天体観測やプラズマ物理観測、超高層大気観測などの理学観測、微小重力を利用した実験や工学的な技術実証を行う目的で、小型の観測ロケットを打ち上げています。この小型ロケットは衛星を地球周回軌道に投入するための大型のロケットとは異なり、打上げ後、約150km(S-310)から約300km(S-520)程度の最高高度に達し、海上に着水するまでの弾道飛行中に大気観測などの実験を行います。人工衛星には低過ぎ気球には高過ぎる高度で、「その場」での観測を可能にするのが観測ロケットです。現在、観測ロケットは毎年2機程度打ち上げられており、実験提案から打上げまで短期間で実現可能で、理学・工学それぞれの実験でさまざまな研究成果が挙げられています。また、アビオニクス(搭載電子機器)の統合や新たな姿勢制御装置の搭載など、観測ロケット自体も最新の技術を取り入れて
【日にち】2013年4月13日(土) 【時 間】13時30分~17時10分(開場:13時00分) 【場 所】四谷区民ホール (東京都新宿区内藤町87 四谷区民センター9階) ※※ 入場無料! ※※ 宇宙科学研究所では、広く一般の方々に宇宙科学についての理解を深めていただくために、宇宙理学と宇宙工学のホットな話題の講演と最新の研究内容の記録映像を紹介する会を、毎年東京都内で開催しています。 この講演会では、質疑応答をとおして皆さんとのコミュニケーションをはかりますので、日頃抱いている「宇宙」に関する疑問を直接研究者に聞いてみませんか? 入場は無料です。皆さんのご来場をお待ちしています。
西田篤弘宇宙科学研究所名誉教授が2012年の文化功労者に選ばれたことを記念し、JAXA宇宙科学研究所・小野田所長らが発起人となってお祝いの会が2013年2月24日に開催されました。また、お祝いの会の直前に、JAXA宇宙科学研究所の藤本正樹教授が「宇宙科学者としての50年」というテーマで西田先生にお話を伺いました。 インタビューした藤本教授より: 『大学院生時代の藤本の指導教員が西田先生であったという間柄ですが、藤本が学位取得した1992年には「GEOTAIL」が打ち上がっており、プロの研究者としては、「GEOTAIL」の注目されるべき成果を世界に向かって発表するのが当たり前という立場から出発しています。 そのような経緯なので、「GEOTAIL」以前の状況、この恵まれた状況が当たり前であることの有難さ、それを出発点として次のステップへと進むことの優位さ(あるいは、感じるべきプレッシャー)を自
【日にち】2012年12月15日(土) 【時 間】13時00分~15時30分 【場 所】野々市市情報交流館カメリア (石川県野々市市三納1-1) 「宇宙学校」は、宇宙科学に対する理解を深めてもらうことを目的として、JAXA宇宙科学研究所の研究者が中心となり、講演と親しみやすい授業形式で開催するものです。 宇宙科学の研究者がそれぞれの研究分野をわかりやすく説明し、みなさんの疑問にお答えします。Q&Aの時間もたっぷりとっています。 対象は小学4年生より中学生としていますが、小学3年生以下でも参加できます。また、親子での参加も可能です。 この機会に最先端の宇宙科学にふれ、研究者と楽しく語りあう一日を体験してみませんか?たくさんのご参加をお待ちしています。
この度、上杉邦憲 JAXA名誉教授は、宇宙探査に関する約40年に渡る長年の功績が認められ、「第36回 Allan D. Emil記念賞」を受賞しました。上杉名誉教授は、宇宙探査の体系的な研究や推進技術、軌道力学などについて130を超える学術論文を執筆し、宇宙探査の分野に大きく貢献されました。 上杉名誉教授は、日本初の宇宙探査ミッションでハレー彗星を目指した「さきがけ」及び「すいせい」、後の探査ミッションで多用されたスイングバイ航法を確立した「ひてん」、また二重月スイングバイ軌道をたどるよう設計されたGEOTAIL衛星、そして、NASAやオーストラリアとの国際協力をベースに、世界初となる小惑星からの試料採取を成功させた「はやぶさ」など、数々のミッションを率い、そして成功を収めてきました。 長きに渡って数々の宇宙探査ミッションに貢献する一方、研究所や大学での研究活動や工学実験なども実施し、より
はじめに 宇宙工学の代表的な成果といえば、宇宙ロケットと人工衛星です。言うまでもなく、前者は宇宙空間に物資や人を輸送するための技術、後者は軌道上にあってさまざまな用務を果たすための技術です。宇宙研は1950年代にロケットの研究開発に着手し、1970年に国産初の人工衛星打上げに成功後、M(ミュー)型ロケットを発展させて、多くの科学衛星を打ち上げてきました。これらの宇宙工学研究開発は、現在開発中のイプシロンロケット、再使用観測ロケット、水星探査機BepiColombo、X線天文衛星ASTRO-Hなど、ロケットや衛星開発に継承されています。 ここでは、これからの宇宙輸送と社会の要請に応えるために、大学と宇宙研の研究者がワーキング・グループ(HRrWG)を結成して取り組んでいるハイブリッドロケットの研究について紹介します。 ハイブリッドロケットの長所 ハイブリッドロケットの長所は、安全性、高性能、
このたび宇宙科学研究所名誉教授西田篤弘先生は、文化功労者に選ばれました。 西田先生は1958年に東京大学理学部物理学科をご卒業の後、ブリティッシュコロンビア大学で理学博士の学位を取得され、シカゴ大学研究員、東大理学部助手、東大宇宙航空研究所助教授、同教授を経て、1996年に宇宙科学研究所長となり、2000年1月の任期終了まで宇宙科学の教育・研究に努められました。 退官後は2002年3月まで日本学術振興会監事、2004年4月から2008年3月まで総合研究大学院大学理事を務め、日本全体にわたる学術の振興に尽力されました。 西田先生の研究分野は電磁流体力学を基盤とする宇宙空間物理学で、最初の大きな研究成果は地球プラズマ圏の成因に関するものです。磁気圏内のプラズマの運動が太陽風との相互作用により磁気圏内に誘起される大規模な対流運動と地球の自転による共回転運動の和で表されることを示し、プラズマ圏の形
【日にち】2012年11月3日(土・祝) 【時 間】13時00分~16時45分 【場 所】東京大学駒場キャンパス13号館1323教室 (東京都目黒区駒場3-8-1) 「宇宙学校」は、宇宙科学に対する理解を深めてもらうことを目的として、JAXA宇宙科学研究所の研究者が中心となり、講演と親しみやすい授業形式で開催するものです。 宇宙科学の研究者がそれぞれの研究分野をわかりやすく説明し、みなさんの疑問にお答えします。Q&Aの時間もたっぷりとっています。 対象は小学4年生より中学生としていますが、小学3年生以下でも参加できます。また、親子での参加も可能です。 この機会に最先端の宇宙科学にふれ、研究者と楽しく語りあう一日を体験してみませんか?たくさんのご参加をお待ちしています。
理学が何であるかは誰もが知っていますが、「物理学者は何をしている人々なのか?」という問いに答えるのは簡単ではありません。まず思い付く答えは、「自然界のありとあらゆる姿を研究する人」ということかもしれません。確かにこの答えは正しいのですが、物理学の真髄を伝えてはおらず、物理学がいかに発展するかを理解できないという点で意味のないものです。物理学の発展は、「光」の概念がどう変わってきたかを例にして説明することができます。 昔の科学実験によって光は波であることが明らかになり、それが電磁波という考え方につながりました。しかしその後、光はある条件下では粒子のように振る舞うことが発見され、この粒子は「光子」と名付けられました。「波」と「粒子」という正反対の性質は量子論の枠組みの中で見事に統一されましたが、2つの概念は現代物理学においてもいまだに広く用いられ続けています。 それは、なぜでしょうか? 波と粒
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