サンフランシスコ講和条約が発効した4月28日に政府が開催する「主権回復の日」式典に天皇陛下が出席する。政府主催とはいえ、世論が分かれる式典に出席を求めたことは大いに疑問である。 沖縄戦をはじめ過去の歴史から、県民は天皇陛下が政治に関与することに敏感だ。昭和天皇が、米軍による沖縄の長期占領を望むという「天皇メッセージ」を伝えたことを、県民は知っている。これは「明白な『政治的行為』」(豊下楢彦関西学院大教授)に当たる。 しかし、今の天皇陛下は「政治的な関与をされているとは思わない。非常にいい形で、象徴としての役割をされている」(孫崎享元外務省国際情報局長)との見方は、国民の多くもうなずけるのではないか。 琉歌に親しみ、ことしの「歌会始の儀」でも万座毛、恩納岳を詠んだ。沖縄に意を用いていることは過去の会見からもうかがえる。 70歳の会見で天皇陛下は「沖縄の歴史をひもとくことは島津氏の血を受けてい
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