「判決は紙くず」と切り捨てる恐ろしさ オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を否定した。中国が岩礁を埋め立てて造成した人工島周辺の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚も認めなかった。中国の完全な敗北である。中国はこれから、どんな行動に出るのだろうか。 中国は7月13日、判決について「無効で拘束力がない」とする白書を発表した。外務次官は「判決は紙くず」と酷評している。判決前も戴秉国・前国務委員が同じ言葉を使って批判していたので、中国はどうやら「判決は紙くず」論で片付ける作戦のようだ。 日本や米国、オーストラリアなどは中国に判決受け入れを求める声明や談話を出している。こちらも予想通りの展開である。主権の主張や人工島建設がいくら国際法無視の行為であっても、だからといって日米などに法を守らせる強制力はない。 あくまで違法行為を非難する国際包囲網を築いて、中国に圧力を加えていく。米国は