海苔(のり)養殖業の発祥の地である東京都大田区大森で今冬、海苔づくりを継ぐ地元の人らが5年ぶりに収穫に成功した。この地は1960年代の東京湾の埋め立てで生産地としての歴史が途絶えたが、今も約50の問屋や販売店が軒を連ねる海苔流通の拠点だ。関係者は「子どもや若い世代が地元の歴史を知り、町に愛着を持つきっかけになる」と、海苔づくりの意義を話す。(宮本隆康) 海苔づくりは、大田区がNPO法人に運営を委託している「大森海苔のふるさと館」が施設近くの人工海浜で続けている。今冬は昨年12月、浜辺の海中に立てた複数の柱の間に、海苔の胞子が付いた網(長さ約18メートル、幅約1・5メートル)を張った。網は収穫までに数回、空中に出して日光や風にさらした。 1月15日には乾海苔(かんのり)2枚分を5年ぶりに収穫。2月13日には約4・5キロ、150枚分がとれた。最盛期の50年代、網は沖合に設置されたが、ふるさと館
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