参院選が公示され、17日間の選挙戦が始まった。選挙結果は常に経済や社会の動きに左右されてきた。足元の景気や産業構造の変化、人口減少など様々な要因が有権者や日本の民主主義にどんな影響を与えているのかを分析する。安倍政権の支持率に変化が起きている。日本経済新聞社による6月の世論調査で60歳以上の支持率は49%、20代は7割だった。12~16年には差は小さかったが17年以降15ポイント以上の差が生ま
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山本太郎「れいわ新選組」から当選した2人をネトウヨが差別攻撃!「重度障害者に国会議員が務まるのか」「介助に税金使うな」 山本太郎率いる「れいわ新選組」が参院選の比例区で2議席を獲得した。議員となる舩後靖彦氏は難病を抱え、木村英子氏は重度の障害をもつ。舩後氏はALS(筋萎縮性側索硬化症)患者で舌や喉も含め全身の筋肉を動かすことができない。木村氏は0歳時の事故と脳性麻痺により両足や左手がほとんど動かない。来週の臨時国会が初登院となる。 舩後氏も木村氏も大型の車椅子に乗っている。舩後さんは人工呼吸器を装着し、定期的に痰の吸引などが必要だ。コミュニケーションにも補助を借りて文字盤を使う。国会のバリアフリー化や、質問時の補助などの整備、態勢づくりは急務だ。2人を特定枠として議員に押し上げ自らは落選したれいわの山本太郎代表は、政見放送でこう語った。 「700人以上いる国会議員には人工呼吸器をつけた人も
「ポピュリズム」の裏にある必然 今回の参院選では「れいわ新選組」や「NHKから国民を守る党」が思わぬ健闘を見せ、世間を驚かせた。 特に「れいわ」の躍進については、ついに日本でも欧米と同様に「左派ポピュリズム」政党が登場したとの議論が起きている。だが、ポピュリズム的な傾向そのものは、多かれ少なかれどの政党にも見い出せる流行のようなものであり、「左派ポピュリズム」という視点のみでは、今起こっている自体の深刻さを正確に言い表すことはできないだろう。 重要なのは、これらの現象の良し悪しを問うことよりも、構造的な必然性に目を向けることである。 これらは、わたしたちの「徹底的に個人化された生活」と「情報環境への過剰接続」が化学反応を起こして生み出した現象だ。万物がフラットなコンテンツとして消費される中で、政治さえも「コンテンツ」のひとつに過ぎなくなった――そのような新しいゲームのルールのもとで、古き良
【特別寄稿】スクープ! 官邸への忖度か!? 参院選静岡選挙区に関する報道をめぐって、『報ステ』から消えた『6分』のVTR! 官邸は国民民主候補への支援と引き換えに改憲賛成を要求か!? 2019.7.20 2012年末に第2次安倍晋三政権が成立して以降、権力に対するメディアの萎縮や忖度が顕著になっている。そして時には、権力側からメディアに対して露骨な圧力をかけることさえある。 今年2月には、菅義偉官房長官の会見で鋭い追及を続けている東京新聞社会部の望月衣塑子記者に対して、官邸が事実上の質問制限を要求する文書を官邸記者クラブに送っていたことが広く知れ渡った。日本新聞労働組合連合(新聞労連)や市民からは、官邸の対応に対する厳しい批判の声が次々と上がった。 今年に入ってからメディアに対する圧力の苛烈さが一層増しているのか、権力に「忖度」しないテレビ番組が突如打ち切りとなったり、腑に落ちない人事異動
日本政治に左派ポピュリズム政党が誕生した。7月21日の参院選は日本においても、欧州で吹き荒れるポピュリズムの風が吹くという結果になった。山本太郎、「れいわ新選組」である。比例での得票率は4・6%に達し、既成野党への不満の受け皿となり、政党要件を満たした。大事な点は彼らの主張は、欧米の左派ポピュリズムそのものということだ。 れいわの衝撃 7月4日の新宿駅西口地下から、「旋風」が起きそうな予感は漂っていた。ニューズウィーク日本版の取材で訪れた私は、予想以上の熱量だったとメモを取っている。山本太郎は参加者の前で声を張り上げる。 「いまの政治はみなさんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が失われ、投資が失われ、需要が失われ続け、国が衰退している。デフレを続けてきたのは自民党の経済政策の誤りの連続でしょ」 「生活が苦しいのは、あなたのせいにされていませんか?努力が足
同志社大学大学院教授・浜矩子(左)/東京大学名誉教授・姜尚中この記事の写真をすべて見る 7月21日の投開票に向けて 与野党の論戦が続く参議院選挙。今回の争点は何か。どんな視点が欠かせないのか。アエラ連載陣が語るポイントをヒントに、いざ投票所へ──。 * * * ●浜矩子(同志社大学大学院教授) 今回の参院選で最大のポイントは、安倍首相率いるチーム・アホノミクスの「下心政治」を排除することだ。投票行動によって、彼らの下心から、政治を解放することだ。 下心とは野望だ。21世紀版の大日本帝国をつくるという野望だ。安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げている。戦後から脱却するということはつまり、戦前に戻ることだ。彼らは戦前に戻るという自らの下心のために、政策を私物化し、行政を私物化している。全ての政策がそこに結びついている。アホノミクスはその中核だ。 安倍首相は2015年、米国で演説した際
朝日新聞社の出口調査を分析すると、参院選の比例区投票先で、自民が30代以下の若い有権者の投票を近年増やしてきたことが読み取れる。 30代以下で自民に投票した人は、2007年には21%だったが、13年は37%、16年には41%に伸びた。逆に60代以上では、07年には34%で若い層よりも厚かったが、13年から16年にかけて下がり、30代以下と逆転した。 一方、民主系は30代以下で07年には48%を占めていたが急落し、第2次安倍内閣以降は10%台で60代以上よりも低くなった。 今回の参院選でも自民への投票が高止まりしている傾向は変わらず、立憲と国民の2党を合わせた投票は16年の民進党とほとんど同じだ。若い有権者の自民と立憲・国民への投票行動の落差が、自民の堅調ぶりを支えているようにも見える。
自民党離れする保守層と共産党との関係 選挙直前!【日本共産党政権奪取の条件】このままでいいのか、今の日本。参院前に保守主義者・作家 適菜 収が語る! ■自民党離れする保守層 先日「安倍疲れ」という言葉が頭の中に浮かんだ。ネットで検索すると、すでに存在する言葉でいくつかヒットした。そこで「国民の安倍疲れ。この言葉に尽きると思います」とツイートしたら、共感のコメント、リツイートをたくさんいただいた。本当に国民は疲れているのだと思う。「もういいよ」「疲れたよ」「ぐったりだよ」と。 私は「ああ、この言葉が今の世相にしっくりくるんだな」と思った。皆、疲れて、いらいらしているのだ。ウソや不正を告発したところで、確信犯的にウソを積み重ねている連中が相手では暖簾に腕押し。不満はたまっていても、声を上げ続けるのはしんどい。そしていつしか口をつぐむことになる。いや、連中は口をつぐむ人間が増えていくのを待ってい
このほど、『日本国紀』などベストセラーを連発する作家・百田尚樹氏と橋下徹氏との間で、靖國問題をめぐりツイッター上で大論争が巻き起こった。橋下府政・市政時代には盟友関係にあった2人の激突だけに、多くのツイッターユーザーが固唾を飲んで論争の行方を見守ったが、結局は互いに見解の違いを認め合う形で収束した。この論争から学べることは何か。一方の当事者である橋下氏が振り返る。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(7月9日配信)から抜粋記事をお届けします。 この数日間、僕は、作家の百田尚樹さん、ジャーナリストの有本香さんと、靖國神社を巡って、ツイッター上で激しく論争した。 (略) 最終的に、僕と百田さんの意見は、平行線となった。 それでも、自分たちの考えが、ツイッター上で公になったことには意義があったのではないか、あとは読者の判断に任せましょう、というところに共通の理解を得た
実質賃金とは、労働者が受け取った賃金が、実際の社会において、どれだけの物・サービス購入に使えるかを示す数字です。賃金から消費者物価指数を除することで求められます。貨幣で受け取った賃金そのもののことを名目賃金といいます。 例えば、労働者の給与が1割増加した場合、同時に物価も1割上昇しているならば、労働者の購入力は変わらず、実質賃金は変わりません。賃金が変化しなくとも、経済状況などにより物価が上昇したり、賃金上昇率より物価上昇率が高い場合は実質賃金は下落します。 庶民にとって、実質賃金は生活実感を表すのに適した数字です。安倍総理自身が自画自賛するアベノミクスの成果を計る有効な指標と言えましょう。実際は、自画自賛するほど実質賃金は上がっていません。 実質可処分所得というデータを見ても、生活の苦しさは一目瞭然です。 会社員の手取りはだいぶ減りました。皆さん、気付いてましたか? 年収の平均値というの
「真実ではないこと、偽りのこと。極論でいえば、嘘というものは、それを発言した人にとどまることなく、第三者、他人をまきこんでいく」。愛媛県の中村時広知事は5月11日の記者会見でそう話した。元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏は「嘘をつき続ける安倍首相の言動は異常だ。また公私をわけられない昭恵夫人の行動も理解できない。2人とも人間として大事な何かが欠落している」という――。 安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字は「嘘」だ 12月に京都・清水寺で発表される今年の漢字は「嘘」に決定した。 それ以外にないと、私は思っている。これに似た漢字「偽」が選ばれたのが、年金偽装問題が起きた2007年であった。これは第一次安倍内閣の時だ。安倍晋三という政治家をひと言で表す漢字に「嘘」ほど適切な言葉はない。 歴代総理で嘘をついた人間は数多いる。筆頭は佐藤栄作であろう。彼は沖縄返還を急ぐあまり、アメリカからは「核付き
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はじめに、石井氏の妻のナターシャ氏がマイクを握った。「この13年間、彼を知る人々から『紘基さんがいてくれたら』という声を聞くことが度々あり、彼が抜けた穴は今も塞がっていないのかと思う。彼が活動にかけた情熱を思い出していただいて、皆さまのこれからの力になれば幸いです」と挨拶をした。 石井氏の娘のターニャ氏は、「事件当時は、(ショックで)父の記憶が頭から消えてしまった。そして、大きな力が動いていることも感じていた」と話す。 「私が(父親の後を継いで)選挙に出ることを期待した人もいたかもしれないが、父が一番望むのは、何より私の安全だと思った。『とにかく生きろ』と言われている気がして、つらさや悔しさはあったが、耐えていかなくては、と思っていた」 ターニャ氏は、事件の約1週間前と前日の2回、父親から暗い声で名前を呼ばれたことを覚えているという。「面倒な話かと思い、私はぞんざいな態度をとってしまった。
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