“プログラム言語*1を作る”って一体どういうこと?──この特集のタイトルを見てそう思った方もいるでしょう。最初に,その疑問にお答えしましょう。 普段,皆さんはプログラミングをするとき,出来合いのコンパイラやインタプリタを使っている方がほとんどだと思います。最初にプログラム言語を選んだとき,実際は,その言語を使ったプログラミングに必要なコンパイラやインタプリタを含む「プログラム言語処理系」(単に処理系と呼ぶことが多いです)を選んでいるわけです*2。 コンパイラやインタプリタなどの処理系は,アプリケーションを開発するための基盤となるソフトウエアですから,中身を知らなくてもきちんと動くことが前提です。正しくプログラムを書けば,実行可能なファイルを生成(インタプリタの場合はすぐに実行)しますし,プログラムが間違っていればエラーを返します。それが具体的にどんな処理をしているのかを気にすることはありま