奈良県の寺社を中心に油のような液体が相次ぎかけられた事件で、被害を受けた信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ、平群町)の防犯カメラに、液体をまくような動きをする不審な男が映っていたことが21日、捜査関係者への取材でわかった。県内で被害に遭った他の複数の寺でも、この男に服装がよく似た人物が防犯カメラに映っていたという。県警は文化財保護法違反などの疑いで捜査し、特定を急いでいる。 捜査関係者によると、朝護孫子寺の防犯カメラには3月下旬の夕方、本堂前のさい銭箱付近で、成人とみられる男が片手をかざす様子が映っていた。フード付きの上着姿で、肩付近にカメラを下げていたという。 県警によると、これまで県内では19寺社で被害を確認した。朝護孫子寺や長谷寺(桜井市)など8寺社でまかれた液体は同種とみられ、県警は同一犯の可能性もあるとみて調べている。