いまだストーリーの書かれていない物語を、いまぼくらは生きているのかもしれません。 いや、そんなのわかりきったことで、ストーリーなんてハナっからあるわけないのだ。でも、ありもしないストーリーをいかにもあるかのように思い込むことで、明日や来年、あるいは数十年先の予定など立ててきた。 そしていま、あらためて思うのだ。なんだ、この物語ってまだぜんぜん書かれてないじゃん! 不意にストーリーを見失って不安に感じていたけれど、そうかんがえると、そこまで気に病む必要はないのかもしれない。 先行きが見えないのではなく、先行きなんて最初っからなかったのですよ。アハハ。 言いかえれば、この世界にはまだまだ自分が好きなストーリーを書き込む「余白」が残されているということ。 昨晩、ラジオで村上春樹の特番を聞いた。村上春樹本人が選曲した「明るいあしたを迎えるための音楽」を、自宅の書斎からお茶の間に届けようという趣向。