宇宙飛行は宇宙から帰ってきて終わりではない。帰還後すぐ厳しい任務がスタートする。「宇宙人」になった身体を「地球人」の身体に改造することだ。2016年に宇宙滞在した大西卓哉JAXA宇宙飛行士は「体力はないし、筋トレは嫌い。だから、宇宙飛行士に応募してもなれないだろうと思っていた」と記者会見で告白した。そのせいか、大西飛行士が語る宇宙飛行前後の身体の変化は、とても親しみが持てる。体力がなく運動神経もよくない自分が宇宙に行って帰ってきたら、こんな風に感じるのかと現実的に想像できるのだ。 大西飛行士は七夕の7月7日に打ち上げられ、115日間の宇宙滞在のあと、10月30日に帰還した。宇宙飛行士の健康管理や、宇宙飛行前中後のトレーニング・リハビリはこれまでNASAが主導権を持っていたが、大西飛行士からはJAXAが自立的に実施することになった。帰還後45日間のリハビリも、JAXAが大西飛行士の回復状況を